フランスのこども、日本のこども

 中条省平は今パリ在住らしい。12/17に毎日新聞夕刊「透視点」で『少子化と高齢化』というエッセーを書いているのですが、日本と違った出生率の高さ(1・92)に驚く。それにもかかわらず、さらに三人目の子どもを生んだ働く女性には、何と月額十万千円の休業手当を一年間支払うなどの出産奨励策をこの秋、発表したと言う。中条さんのお嬢さんは四歳でパリ市立幼稚園に通っているのですが、フランス在住の外国人であっても基本的にタダで利用条件はまったくフランス人と変わらない。今年の四月にパリに住み始めたのですが二日目に区役所に行って登録を済ませ、その翌日から幼稚園に通わせることが出来たと言うのです。とても信じられないシステムです。市立幼稚園の数が多く、たいてい歩いて行ける場所に幼稚園があるわけです。フランスで出来て何故日本では出来ないのか、預かってくれる時間帯も例外なく朝の八時半から夕刻の六時半までです。夏休みも同じ条件です。成程、かようなインフラがあれば、25〜49歳の女性の八十%以上が働くフランス労働事情が納得出来ます。中条さんの知人でフランスで四人子どもを生んだ日本女性がいらっしゃるのですが、出産にかかった費用がタダだったのです。やろうと思えば出来るんですね、そりゃあ、フランスの出生率の高さは一面では移民によって支えられており、国内で移民の若者達の暴動騒動がありましたが、移民問題は難しい課題ですが、日本も遅かれ早かれ移民を積極的に受け入れざるを得ないでしょう。少なくともフランスの事例はとても参考になると思う。費用は防衛費を削り、不要な公共事業を減らし、贅沢品に段階的に高い消費税をかける。兎に角、出産から高等教育までの無料化と、働く女性の子育ての支援こそが、出生率を上げ、それと適正な立案に基づいた積極的な移民受け入れを行えば「少子・高齢化」の問題のいかほどかは解決出来ると思う。大略そんなメッセージを中条さんは発信しています。その通りだと思う。このような身近なところから政治をやって欲しいですね。
 ソネアキラさんの,ブログでやりとりしたのですが、子どもに対する犯罪も何とかしなくては…、そうでないと、益々子どもを産むこと、育てることに臆病になる。次の世代を育てる環境作りがみんなの仕事でしょう。産んで育てる循環の中で命はつながってゆく。勿論、僕のようなそういうことにダイレクトに貢献していない人でも出産とは縁のない人であろうとも、子ども達が出来る限りいい環境で暮らしてゆける手助けぐらいは出来るはずだ。愉快犯、模倣犯、粗暴犯を憎むことが出来るはずだ。正確なデータはないが、見聞きする犯罪に「弱いもの」をターゲットにしたものが、増えたのではないか、「強いもの」をターゲットにした犯罪があまり見聞きしないですね。オレオレ詐欺も高齢者だし、これも、別の意味での「少子・高齢化」問題なんでしょうね。