いのちの風

アッバス・キアロスタミ傑作選(2) [DVD]オンライン書店ビーケーワン:千の風になって       オンライン書店ビーケーワン:〈野宿者襲撃〉論
 ある高校の入試の作文のお題が「いのち」だと知る。生徒たちはどんなことを書いているのだろうかと気になりますね。
 兵庫県姫路で少年達による<野宿者焼死事件>がありました。生田武志さんの『<野宿者襲撃>論』を読んだばかりなのですが、何ら状況は変わっていないばかりか、ひどくなっているのではないかとウスラ寒さを感じました。
 尼崎で去年、JR福知山線脱線事故がありましたね、毎日新聞によると遺族の間で新井満さんの写真CD詩集『千の風になって』が読み継がれていると言う。「a thousand winds」は9・11の米同時テロで遺族にも朗読された英文詩ですが、詠み人知らずです(Author Unknown)。

Do not stand at my grave and weep,
I am not there, I do not sleep.

I am a thousand winds that blow;
I am the diamond glints on snow,
I am the sunlight on ripened grain;
I am the gentle autumn's rain.

When you awake in the morning bush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet in circled flight.
I am the soft star that shines at night.

Do not stand at my grave and cry.
I am not there; I did not die.

新井さんの意訳です。

私のお墓の前で/泣かないでください/そこに私はいません/眠ってなんかいません/千の風に/千の風になって/あの大きな空を/吹きわたっています

 誰かさんの言うように富というのは、本来「生きていく能力」のことであるならば、この国の自殺者が年間三万人を越えるという事態はちっとも豊かでない証左ではないか、そんなことを思って検索したら、『図録・自殺率の国際比較』というデータがありました。日本はベストテン入りしていますね。自殺率世界マップを見ると、旧ソ連圏と日本が真っ赤かですね、どうしてだろう、「生きいく能力」が減退しているのだろうか、『桜桃の味』で「生きる力」を目覚めさせてもらうしかないのか…。