月刊ネット時評「放射能デマ」

今日の毎日新聞夕刊の「月刊ネット時評」は赤木智弘氏が担当で放射能デマについて書いている。
ネット上で自家製の味噌や、有用とされる菌類、特殊な水や米のとぎ汁などが、放射性物質を体内から排出したり、無害にするなどという不確かな言説が飛び交って、まっとうな科学的見地は、蚊帳の外に置かれてしまっている言う。
何故、怪しげな健康情報を特にネット世界では真に受ける傾向があるのか、そのあたりを赤木さんは分析している。
いくつかの理由の一つに

ネットの世界は、ネットの外と比べて、現実の権力や地位と関係なく、人びとが対等の立場に立てることがあげられる。垣根がないおかげで、相互理解が進むという利点がある一方、十分な研究実績をもった科学者が語る科学的根拠と、単に声の大きい人が語る根拠なき想像が、その言説がもつ現実の権力や地位を無視して、横一線に並んでしまう欠点もある。
 ネットには多くの情報が溢れており、その全域を過不足なく見渡せば、私たちは様々な意見を汲み取れる。だが、情報が多い分、反対意見を無視して自分好みの情報のみを見続けることもできてしまう。

 正論を書いていますねぇ。医療情報もそうですがこの科学的根拠を軸に担当医、一般書から専門書、ネット検索などから膨大な情報収集を行っても最適な処方がなかなか見えない。いまだに僕の場合、抗がん剤点滴の科学的根拠に絶対的な信頼をおいていない。でもこれしか選択肢がないからとにかくナイーブに信じようと祈りに近いオカルトめいたものになりがち(笑)。
 放射能に対応するちゃんとした処方箋が専門家より提示されれば問題ないのですが、提示されないものねぇ。
 むしろ、小出裕章氏のようにもはや後戻りできない、せめて子供を守るために大人たちが放射線汚染された食べ物を引き受けて食べる。という覚悟を宣言する。この小出さんの提案は実現可能性について疑問符が残るけれど僕的にはもっともナットクのゆくものです。まあ、僕のように放射線治療して、もうすでに大量体内被曝している「ガン患者」が「食べますよ」と言ってもあまり説得力がないかもしれない。
放射能汚染のない安全な食品を選ぶための情報 OK FOOD / OKフード
7月26日 食品安全委員会発表「生涯上限100ミリシーベルト」のゆるさについて 小出裕章(MBS) | 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ