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政策提言 分野別 ストック(資産)活用戦略 – アゴラ

日本最大の埋蔵資産は、埋蔵金ではなく、良質な労働力。個人差が大きいにもかかわらず、ジェネレーション、現在の年齢・性別でカテゴリーごとに捨てられたり、人不足だと嘆いたりしている。日本においてネットワークビジネスがかつて隆盛だったのは、生きがいを求めていた潜在的に高いコミュニケーション営業能力のある主婦が飛びついたからだが、同じことは現在でもあらゆるところでいえる。居酒屋でもスーパーでもコンビニでも吉野家でも、バイトの中に能力の高い人材が多く、彼女ら彼らが現場のリーダーになれるということが日本の壮絶な現場力の一つの要因となっている。これは大学教員業界も同じで、薄給でしかも週一回の仕事をきちんとやってくれる信頼できる秘書など、日本の主婦以外にどこにいるだろうか。ー続く(小幡績

小幡績政策提言 分野別 地方の若年雇用こそが成長戦略 – アゴラから引用

地方の若年雇用政策という最大の成長戦略について述べる。今の世界で経済政策において最も重要なのは、若年層の雇用政策だ。その意味で結果は出せていないが、中東がもっとも進んだ悩みを抱えており、米国の政策は金融市場最優先で雇用と政治的に叫ぶ割には連邦政府の役割はほとんどない。地方政府と個別企業(自由な経済活動と呼んでもいいが)に丸投げとなっている。欧州はその中間で、国によるが、大雑把に言うとごまかしながらやっている。ノルウェーは血迷って移民政策を進め、イギリスは放置で、両国ではこれを背景に惨劇が起きた。
そうなのだ。イギリスの暴動もノルウェーの惨劇も背景には若者の雇用問題がある。スペインは若年失業率40%、イギリスも20%。この問題が中東の通称ジャスミン革命の背後にある。あれは独裁に対する民主主義革命でもfacebook革命でもない。中東の若年失業率は軒並み30%から50%。貧富の差はかまわないが、職と食物がなくなっては(もう一つの背景は食料高騰)国は持たない。欧州も同じで、米国ですら20%に近づいている。日本は7%で、ここが日本社会の最も素晴らしいところだ。経済が停滞しても社会がほかの先進諸国などと比べ維持できている理由はここにある。(略)
東京というのは、日本の上澄み。そして、実は地方は苦労しているから、底力はマグマのように一部たまっている。政策投資効果はむしろ高い。東京は、グローバルにもどこにも逃げられるから、日本、東京の環境が悪くなれば、みんな逃げる(震災が象徴だがそれに限らない)。政治的にも、流動性が高い。小泉に振れ、政権交代に振れ、飽きてつまらなくなれば政治不信で見捨てる。彼らにとっては、政治はエンターテイメントに過ぎない。地方は違う。利権といわれようが、実力のある、地元に口だけでなく実際に貢献する政治家を見抜いている。死活問題だから。
経済的にも、東京は上澄みに過ぎないから、バブルに弱く、金融変動に弱い。地方出身者の集まりが東京で、東京人の個性とは地方人の個性の融合の結果であり、東京だけになったら日本はそこにはない。ただれた汚い町が残るだけだ。もちろん、ローカルとしての東京はあり、その東京はここで議論した地方に当たる。
地方の若年雇用問題にカネ、ヒト、エネルギーを投資する。これが最も重要な、社会・経済・成長戦略だ。