辺見庸より

わたしの死者ひとりびとりの肺に/ことなる/それだけの歌をあてがえ/死者の唇ひとつひとつに/他とことなる/それだけしかないことばを吸わせよ/類化しない/統べない/かれやかのじょだけのことばを
(「死者にことばをあてがえ」より)