図書館司書は出版社・書店でご奉公?


小田光雄が更新された「出版状況クリニクル46」で「なお当然のことながら、現場の図書館司書と日本図書館協会と大学の図書館学科の教師たちは、この佐藤の言に対して反論すべきだろう。もちろん私に対してでもかまわない。それを待って、さらにこの問題に言及することにしよう」と声掛けをしている。

12.佐藤優が「憂国の極論放言者」の一人として『週刊新潮』(3/1)で、「『図書館司書』は出版社・書店でご奉公」という一文を寄せている。
佐藤は公共、大学図書館が出版業界のガン細胞であり、ベストセラーを大量購入し、タダで貸し出しし、著者(作家)、出版社、取次、書店に基づく本をつくるサービスを破壊していると述べ、司書は資格を得るために、出版社、取次、書店で無給研修し、本に関する専門的知識を学ぶべきだと提言している。
そして近年の図書館における自らが入手した専門書、研究書、洋書の数百冊に及ぶ大量廃棄本について、「本の価値を理解する基礎教養のない人が図書館司書をつとめているから学術書や専門書の大量廃棄が行われているのだと思う」と述べ、この問題は図書館でそれらを自由に読む機会が失われたことを意味し、10年後における日本人の知力の低下を愁いている。

[『出版状況クロニクル2』でも大学図書館における廃棄本について述べ、どうしてこのような専門書が捨てられてしまうのか、疑問を呈しておいた。
おそらく佐藤も懸念しているように、近年の全国規模の公共図書館での廃棄本は膨大な量に及んでいるはずで、それらの中には、その地域の図書館において二度と架蔵されることのない稀少本も大量にあったにちがいない。
佐藤ではないが、それらの本はその地域の人々にとってもはや自由に読むことのできない本と化してしまったのであり、いってみれば、それはひとつの文化の喪失ということになる。しかしそのことを理解していなければ、単なる廃棄処分に他ならないのだ。だが紛れもなくそのような書物環境の中に、出版業界も置かれている。またそのようにして本だけでなく、多くの有形無形の文化遺産が廃棄されていったのであろう。

なお当然のことながら、現場の図書館司書と日本図書館協会と大学の図書館学科の教師たちは、この佐藤の言に対して反論すべきだろう。もちろん私に対してでもかまわない。それを待って、さらにこの問題に言及することにしよう]

しかし出版流通業界には橋下徹のような人はいないのかなぁ?
本当にスピード感がない。何故、再販問題に手を付けないのか、
そこのところが前提の前提でしょう。枝葉末節で問題を先送りしている。
火中の栗を誰も拾おうとしない。色々と問題があっても橋下徹は火中の栗を拾おうとする度胸はあるでしょう。
まあ、肝心の橋下徹中之島図書館を美術館へという魔球を投じたみたいですが、出版・図書館業界において彼のスピードに伍して戦える人はいないのかなぁ。