ミクシィからの不忍BSレポ

kuriyamakouji2009-05-06

もう恒例の行事として定着した感のある不忍ブックストリートの出店主たちがとても楽しいレポートをアップしていますが、表のブログでアップしている方は閲覧できますが、ミクシィなどは会員でないと閲覧出来ません。それで、諒解を得て僕なりに編集・加工して○○さんのレポをアップしてみました。出店のための懇切丁寧なノウハウをも教示してくれていますよ。

◎4月上旬 (申し込み)
「店主さんマニュアル」が届き、出展する場所が通知されます。
場所については、品揃えの傾向とかもろもろを考慮して実行委員会側で選択するので、僕らの方からは、場所を指定できないのです。
◎5月3日 (準備開始)
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・スリップの作成・挟み込み
・本を入れるハコ
・アウトドア用のイス
 :椅子を貸してくれない会場も。最悪、ジベタリアンの計ですので、女性は必須かも。
・釣り銭
・雨が降ってきたとき用のビニールシート
・電卓
:最後に売り上げを報告しなければならないので、集計用
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あと、あればナイス!なもの。
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・テーブルクロス
用意された長テーブルの上に箱をそのまま置いてしまうと、なんだか味気ないんです。
売りたい本を平置きしたい方は必須ですね。表紙が傷んだり汚れたりするのはイヤ!な方は特に。。
・POPスタンド
東急ハンズの店舗用品のコーナーなどで売っています。屋号を書いた紙を展示したり、来客に何かアピールしたいものがある場合は便利でよろしいかと。
不忍ブックストリート案内地図
店主さんマニュアルと一緒に送られてきますが、お客さんに他の会場の場所を聞かれる場合が多いので、これは手元に置いておくべきかと。
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・スリップの作成・挟み込み は手作業ですし、非常に面倒でした(苦笑)。毎度のことですが。
スリップというのは、本の奥付(発行者とか第何刷とか色々書いている裏表紙の裏あたりの頁)のところに挟む、書店名と価格と書名を書いた小さな紙のこと。最後に自分の売り上げを集計し、本部に報告するときにはなければいけないものです。毎年、実行委員会の方では、古本市の総売上と総冊数を出してますが、その集計に使われているんですね。
これは時間がかかるから、絶対に前日までにやっておくべきです。僕は今回、40冊くらいしか持っていかなったけれど、プリンタの調子が悪いせいもあって、作業開始から完了まで、2時間ほどかかりました。印刷して、スリップをカッターで切り出して、書名と著者名を書いて、本に挟み込んで、間違いなく全ての本にセットされてることを確認して、だからねぇ。
補充用の本も持って行きたいという人もやっておくべきでしょうね。
売り場で接客しながらスリップを切るなんて、特に個人参加の場合は自殺行為です。
売れ足が速いときなんて、絶対に間に合いませんぜ。
これをやり終えた後、本を5冊くらいずつまとめて新聞紙で包み、輪ゴムで梱包。
もとより、カバーの補修も、本の天地・小口のミガキもやってません(使い捨てタオルで拭いてホコリを落とす程度)。
美本といえる本なんかほとんどないのです。
それでもカートで輸送中に傷つくのは嫌だったもので・・・。
輪ゴムをそのまま表紙に巻くと、傷みますし。
あとは、池袋に出かけて足りない備品を調達。
結婚式用の小型のメッセージカード、屋号やお客さんへのセールス情報を展示するためPOPカードを購入。前者は、来てくれたお客さんへ古典読書会の情報を渡すため(笑)。
後者は、タイムセールとか、あと、委託で請けた同人誌用に。
一箱古本市では、特に女性がそうなんだけど、古本以外のものを売る人もいます。
手作りのコースターとかは定番ですな。あとはアジア雑貨、ヨーロッパの小物、皿、写真、絵ハガキ、切手なども多かったですよ。
銀行でお札を崩し、釣り銭を用意。
5000円を100円30枚、500円4枚に。あとは、1万円対策で、1000円札を10枚用意。
まあ、お札については今までも用意していなくて困ったということはないんだけれどね。
お金を出納するための小型ケースを100円ショップで用意。
ディスクユニオンで段ボールを1箱買って完了。
ただ、ユニオンの段ボールはカッコいいけど、底が深いんだよね。事前に箱の四隅を切って背を低くしておかないと、お客さんが本を探しにくくなる。売り物の容器としては、もっと奥行きと幅が広く、底が浅い箱の方がいいと思います。
今回は、ジャズのCDジャケットを拡大コピーして箱に張ろうと思っていたのだけれど、時間が遅くなったので断念。次こそはやりたいなあ・・・。
以上で準備終了。総所要時間、6時間。

結構な準備作業になりますね。○○さんの場合、家の本棚が飽和してきたので、もう読まないだろう、と思われる本から選んで出しました。ブックオフで買い叩かれるのは忍びない、という本がたくさんありましたし・・・。 と言うことなので、希少性のある本はありません。とのことですが、店によっては、むしろ希少性のある本を選んで、「これでもかぁ」と自己主張する店もあります。むしろ、不忍BSではそんな店がメインかもしれない。業者ではない本好きの人たちがハレの気分でパフォーマンスし、本と散歩を楽しむ。そんなノリでしょう。
だから、leleleさんが、古本ファッションに関心を持って古本フェアなんて、記事をアップしている。

帽子 … ハンチングが多い
めがね … フレームは、ボストンかロイドが多い
ヒゲ … ストレート、もしくはストレートとエプロンのミックスが多い
Tシャツ … 白色、またはシンプルなプリントが入った中間色が多い
シャツ … ネルシャツが多い。フロントのボタンは閉めない
パンツ … ブルージーンズ、または地味な色のジーンズが多い
靴 … スニーカー、茶系のウォーキングシューズが多い
カバン … ちいさめで、デザインの凝ったものが多い

僕は古本ウェアから言えば失格ですねぇ。メガネは首からぶら下げ、後頭部の毛が少なくなっても滅多に帽子はかぶらない。ヒゲはなし。Tシャツは黒。ジーンズも黒。スニーカーだけは当たっているかなぁ。カバンは原則、丈夫な無印良品で買った帆布製の大きな袋を愛用していて、カバンも手提げもその中に放り投げて肩にかけている。
話を戻して、○○さんは、「昔読んだなあ、コレ。久々にまた読むか」くらいの感じで読んでもらえればなあ、と思い、同時に、メイン客層を50代〜60代をメインに絞りました。サブカル系など、若者向けは出しても意外と売れないんです。来場者の客層とマッチしないしね。それに、若者は新刊本しか見ないからなあ。 これは言える。僕のブログでリサイクル本の提供をしたときも感じました。
そうして、○○さんの売り上げ冊数:23冊 売り上げ金額:4,650円 、消化率6割以上。

◆売れた本リスト:
『日本の無思想』(加藤典洋)/『秘録 東京裁判』(清瀬一郎)/『八月十五日の神話』(佐藤卓己) /『後藤新平』(北岡伸一) /『本は10冊同時に読め』(成毛眞)/『純粋なるもの』(島朗)/『本を読む本』(アドラー) /『ウィトゲンシュタイン入門』(永井均) /『すばらしき愚民社会』(小谷野敦)/『戦前の思考』(柄谷行人) /『政治学の名著30』(佐々木毅)/『余は如何にして基督信徒となりし乎』(内村鑑三) /『1968年』(すが秀実)/『オープンソースがなぜビジネスになるのか』(井田昌之) /『エンデの警鐘』(坂本 龍一、河邑 厚徳)/『マルチチュード』(アントニオ・ネグリ×マイケル・ハート)/『ガストン・ガリマール−フランス出版界の半世紀』(ピエール・アスリーヌ) /『吉田茂の自問―敗戦、そして報告書「日本外交の過誤」』(小倉和夫)/『パレスチナ報道官―わが大地への愛』(ハナン・アシュラウィ) /『物語消費論』(大塚英志) /『消費社会の神話と構造』(ボードリヤール) /『構造と力』(浅田彰)/『カルチュラル・スタディーズ』(吉見俊哉

ところで、当日、「わらしべ長者(?)」とかいう企画で、実行委員会の方が店主さんのところを回って、1冊の本をどんどん交換していって、最終的に何になるか?という面白い試みが行なわれてました。 これ!オモロイねぇ。
【参照】
2009-05-06
不忍ブックストリート「一箱古本市」で思いがけない受賞: 〈本と音楽〉 風太郎の気ままな水先案内
一箱古本市(初日)ご報告。(長文失礼): とみきち読書日記
一箱古本市(二日目)御礼。: とみきち読書日記
http://d.hatena.ne.jp/beniya/20090503
2009-05-06 - 古書 西荻モンガ堂
画像は病院の待合室でディスプレイされた端午の節句武者人形です。
この病院の常連さんなので、僕のは古本ウェアではなく、もっぱら、病院外来ウェアかもしれない。
採血、診察しやすいような出で立ちですねぇ。となると、ジャージになるが、病院に行った帰りにどこかへ寄るパターンなので、やはりジャージではまずいのです。