2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Mなふたりの交歓談義

宮台真司×宮崎哲弥著『エイリアンズ』の【bk1レビューアップ】しました。千六百文字のうち半分は引用で、それに対するレスみたいな、レビューと名付けるには問題ありと思うが適当な言葉がないので、ご勘弁を…。この本は色々な人がブログでコメントしてい…

映画評論家

映画批評家は細部に拘泥するあまり、先に診断ありきで、聴診器を持ったまま映画鑑賞をするのであろうか、先日、ドキュメント映画を観た折、同じ席列で携帯電話の青色ダイオードを発光させている。三つ四つ離れた席なので、まあ、いいかと気にしなかったが、…

評論として観る映画の怖さ

先日の京大学園祭での映画談義でタランティーノの『キル・ビル』について中原昌也と蓮実重彦の対談で、中原さんが全く認めないのに、蓮実さんがいいと認めて、互いの話が平行線になってしまったが、さっきビデオで借りて、タランティーノ初体験だったのです…

十七歳の地図(5/9記)

生命学の森岡正博さんは『宗教なき時代を生きるために』の第三章で尾崎豊にまるごと、言及しており、この散っていたカリスマ歌手に対する愛憎半ばの想いを縷々怒り、哀しみ、そして冷静に分析しているが、自分の中に尾崎豊を見たのであろう。 “5/1の森岡…

超越系爺の他害原則/愚行権

最近、少年、成人による同居の家族を惨殺する痛ましい事件が連続して起きたが、いつもこの手の事件に接すると、何故、彼ら彼女らは、家族を捨てるという選択肢をしないのかと、家出なり、出家なり、社会の底の穴が抜けているとの認識があり、“社会化”なんて…

あ〜あ、無常

久し振りに駅前のTUTAYAに寄って、ゴダールの『映画史』を探す。確か、去年あったので、見当をつけてうろうろするが、見つからない。仕方がないスタッフに聴く。男の子は、そもそも、ゴダールを知らない。まあ、こんなことでは驚かない。松本清張も、…

呑む、打つ、恋

一昨日、天王寺映像館で、深作欣二監督の『道頓堀川』を観ました。原作は読んでいますが、映画も観たはずなのに、今回鑑賞して初体験のような新鮮な美味しい料理を味わった満足感がありました。その余韻があるものだから、二回目の大森一樹の『風の歌に聴け…

ドストエフスキーではありません、トリスウイスキーです

東大ではミス・ミスターコンテストが行われたらしいが、京大では、企業の冠が禁止されているので、ミスコンのジェンダー以前の問題で実施されなかった(注:京大ミスコン関係URL)のであるが、、あまりシリアスな問題へと発展もなく、折角、“森岡正博生命…

がきデカ民主主義(4/4記)

あるサイトで少年よりオススメ本のリクエストがあったので、『熱い書評から親しむ感動の名著』から、ぼくがレビューした吉田満の『戦艦大和の最期』を推奨したのですが、いや、ちょいと待てよ、想像もつかない読解をされるかもしれないし、まあ、それもいい…

エイリアンたち

近場の市民ホールで映画『コールドマウンテン』(シネマ日記より)を観ました。同年輩位の御婦人方が多かったのですが、すすり泣きが聴こえましたが、みなさん、映像に没入していらっしゃいました。『逃亡兵』とのラブロマンスなのですが、その「逃亡兵」を…

幽霊/死者/デスコミュニケーションの交歓

久しぶりに、bk1にレビューアップしました。内田樹の『死と身体』(医学書院)です。おしょうさんのブログ“方丈”で「死」をエントリーしたスレがあって、ぼくのブログと往還しながら、長々しいカキコをしていたので、それをほぼ、コピペしたのですが、制…

★『新書マップ』

新書のガイドブック『新書マップ』(日経BP社)が出版されましたね。今年六月末までに発売されたライナップで、小説は対象外で、ノンフィクション、教養系が対象。32分野を1003のテーマに分類し、基礎データを掲載。重要な300テーマ・2000冊…

武田徹/山形浩生(5/13記)

大澤真幸さんの『文明の内なる衝突』を読んで、盛んに分かりにくいと、大合唱しているが、ぼくも分かりにくさを認めるが、分かりにくいからこそ、疑問が生まれる。 武田徹の新刊『調べる、伝える、魅せる!』によると、ジャーナリスト養成コースの授業で、蓮…

蓮実重彦/中原昌也/京大11月祭

京大のガラパゴス・プロの企画で、蓮実重彦と中原昌也の映画談義がありました。プロレスのノリで受けて立つよと蓮実さんはネクタイもきちんと締めて秋に相応しい黄褐色のブレザーできちんと決めてダンディな格好でなのに、、中原さんは無精ひげ、髪も手入れ…

映画の中の食卓

“マシーン日記”のmakisukeさんが、トラバをしてくれたのですが、そのターゲットは榎本香菜子の展覧会ですが、同じ日のブログで「映画の中で気になった食卓」をスレしている。成程、凄く面白い視点で、ぼくも最近観た『真珠の耳飾の少女』のファースト・シー…

展覧会お知らせ

本日、このブログで御馴染みの榎本香菜子が仲間達と『Sixth Sense』展を開きます。小品を中心としたものですが、興味ある方はチェックして下さい。 会場:ギャラリー・ニケ(Gallery Nike) 東京都中央区銀座8−18−3 銀座永井ビル2…

7/9記より転載

ドストエフスキー著『二重人格』を二葉亭四迷の『浮雲』に引き続いて読みました。後藤明生によれば、『浮雲』は日本近代文学史上の源流にあたる重要な作品であるが、このドストエフスキーの『二重人格』を「真似」て「稽古」した「和魂洋才」の作品として評…

平和への欲望

先日(11/16)の映画を巡ってのスレで、特に韓国仏教映画『春夏秋冬そして春』のコメント欄でぴぴさんとのやりとりが長く、深くなりましたし、僕自身もそれに触発されて思い到った諸々が、深く拡がるような予感がありますので、新しくエントリーを上げて書…

クリントン図書館

テレビのニュースでアーカンソー州リトルロックにクリントン図書館が開館したとのこと。115億円の資金で出来上がり、“弾劾コーナー”なんてもあり、例の前大統領が女の子にちょっかいを出して、その助平ぶりを暴露された本も資料として保管されているし、…

ラデツキー行進曲(5/30記)

「小隊止まれ!」とトロッタ少尉は命令した。彼は脇へ寄って、いった。「おれがおまえたちに水を運んできてやる!誰も動いてならんぞ!ここで待っていろ!バケツをよこせ!」機関銃隊から、水を通さない亜麻製のバケツが二個彼のところへ持ってこられた。彼…

三代目/1905年の分水嶺

ドナルド・キーン、瀬戸内寂聴、鶴見俊輔の『同時代を生きて』でやはり、一番露出度の多いのは鶴見俊輔さんですが、ドナルド・キーンさんの『明治天皇 上、下巻』を最大限に評価し、ぼくも、熱くなって読了した本です。鶴見さんは1854年の安政和親条約調…

森岡正博

森岡正博さんのBBSを覗いたら、『無痛文明論』と村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』、そして、イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』とがシンクロし合っているとのコメントがあって、森岡さんはそれにレスして、ネットで全文…

ジョージ・オウエル/ゴダール/村上春樹

ハードボイルドの探偵もので、舞台は近未来のSFで、でも、道具立てはチープで何か半分含み笑いしながら、シリアスなドラマなんだと、言い聞かせながら、まあ、正座して観た映画です。言ってみればジョージ・オウエルの「1984年」の世界から愛でもって…

映画でしか語り得ないもの

映画のハシゴをしました。『真珠の耳飾の少女』を千里中央の千里セルシーシアター、『春夏秋冬そして春』を梅田のOS劇場で観ました。道中、村上春樹の『アフターダーク』を読みました。 目にしているのは都市の姿だ。/空を高く飛ぶ夜の鳥の目を通して、私…

キース・ジャレット/松岡正剛

寒くて雨模様です。こんなときはキースのケルン・コンサートが良く似合うと『マシーン日記』の巻き助さんのカキコがあったので、旧ブログで7/15の何故か良寛とキースに触れたカキコをコピペします。 ◆松岡正剛の『千夜千冊』で“「良寛」/千夜”が取り上げ…

遊撃のアルチザンたち

kingさんから昨日の“文学フリマ”の『レポート』(「壁の中」から)がアップされています。二十冊ぐらい売れたらしいですね、まず、成功でしょう。一回目ですから、二回目もチャレンジして下さい。ここでも時々触れている榎本香菜子さんも展覧会が開かれ…

本日、文学フリマ

kingさんが、本日、秋葉原で文学フリマにブースを設けて出店するのですが、旧ブログでkingさんの『後藤明生論』に触れたのですが、ちょうど、好い機会ですので、移動貼り付けします。尚、同人誌と一緒に、『後藤明生試論』もプリントして持参するつ…

7/17記(旧ブログから移動)

bk1のサイトを覗くと“青山ブックセンター倒産”とある。書店員にとって“ある憧れ”をもって語られもした青山が…っと、唖然としました。書店業界に何が起こっているのか?現役でないぼくは浦島太郎になっているのかもしれない。過日、ネット「書店日記」の田…

『葉っぱがアフォード・阿呆ダンス』からの引越し弁明

私はいつも引用ばかりしてきました。ということはつまり、私はなにも創出しなかったということです。私はいつも、本で読んだりだれかから聞いたりした言葉をノートに書きとり、そのノートを手がかりにして見つけたいくつかの事柄を演出してきたのです。私は…

♪武田徹6/1記(旧ブログより移動)

ジャーナリズムが硬直した権力関係の地勢図を描きがちなのは、権力分析の道具を持たないからでもあるだろう。たとえば、ぼくは『調べる、伝える、魅せる!』の中でエスノメソドロジーの会話分析の方法を、取材における権力構造の分析に使うことを提唱した。…