博士の愛した数式/無垢の力

ブレイク詩集 (平凡社ライブラリー)無心の歌、有心の歌―ブレイク詩集 (角川文庫)博士の愛した数式 [DVD]博士の愛した数式 (新潮文庫)
 吉岡秀隆『ルート先生』は良かったですね、←のブログにその授業風景を検証している。吉岡さんと言えば『ALWAYS〜』の茶川竜之介先生も良かった。先に原作を読んで見る予定だったのに、こんなにベストセラーになってしまったから、いつでも読めるからと、うっちゃっていたのですが、無性に原作も読みたくなりました。
 本屋さんが選ぶ第一回本屋大賞を授賞したのですよね、第二回の恩田陸『夜のピクニック』、第三回のリリーフランキーの『東京タワー』は読んでこのブログにもコメントしているのですが、数字音痴の僕は「数式」という言葉だけで、敬遠していたのですね、とんでもない間違いでした。
 素数虚数無理数、…、友愛数、見えない数字が段々と心で見えてくる…、これって、『クオリア』ではないか、映画は市民ホールで上映したもんだから、僕より年上の人が過半数以上で千人は入場しているでしょう。見終わって満足した表情を殆どの人が浮かべていました。
 先ほど藤原新也の『渋谷』を読み終わったのですが、色のない風景が色づいてゆく少女の心象風景があります。これも、『クオリア』、そのような「心脳問題」として考える必要は全くないのですが、先日読んだ茂木健一郎の『生きて死ぬ私』の読後の余韻があるのでしょうか、
 最後にウイリアム・ブレイクの詩が掲載されますが、松岡正剛先生によれば、ウイリアム・ブレイクを理解するにはあまりにもこの国の文化風土ではその怪物ぶりを掌握しきれていないと苦言を呈されているが、この詩句【Auguries of Innocence】は、この映画にぴったりですね。
To see the world in a grain of sand,
And a heaven in a wild flower,
Hold infinity in the palm of your hand,
And eternity in an hour.

 この詩は角川文庫の『無心の歌、有心の歌』に収録されているのでしょう。今手元にないので、確認できません。
参照:博士の愛した数式@ピピのシネマな日々