「世の中」の、お金

Meshell Ndegeocello performs "GOD.FEAR.MONEY" (2001)

 ネンキン・プアのジジィとして書いてみます。

 もちろん、企業にとって単純労働も廉価な労働力も必要だ。だから、その市場を定年退職する元気な団塊世代が引き受けるのだ。団塊の世代なら、単純労働の現場でも、考えながら作業することができるし、職人魂を込めることができる(かもしれない)。叩き上げた仕事のナレッジを、これからの人々のために役立ててほしいのだ。(p121)ー島内晴美著『団塊フリーター計画』ーより

 単純労働大好きな僕は喜んでしますね。例えば、本屋の返品作業とか、

 そこで、企業とはどういうものかをよく知っていて、また、一つひとつの業務が総体としてどのような意味を持つのかも熟知していて、仕事のノウハウも知恵もある定年世代にこそ、フリーターになってほしいと思うのだ。会社が巧妙な手段を用いて、働く人の地位保全を怠るようなときには、「それはおかしい。定年組はそれどもいいけれど、若者にはそんなことはしてはいけない。法律違反を犯してはいけない」と言ってほしいのだ。(p122)

 ここで、具体的に書くことは出来ないが、民間会社における接待交際費などの裏金作りには人材派遣会社における人件費項目が大きな役割を担うこともあり得るのではないかと言う問いを発するに留めます。定期的に大きな資金が流れますからね、労働組合も自社の派遣労働者に対してはお客様扱いで、ノータッチが原則です。闘い方の知恵はあるのです。
 かって、自分たちがやってきたノウハウでもあるのですから、まあ、そういう知恵があるから企業は団塊世代のフリーターを採用するのに二の足を踏むということもあるし、時給は安くてもいいよで、はい、それではというわけにはいかないでしょう。このあたりの問題が一番難しいでしょう。
 コンビニでは最近、増えたみたいですが、ファーストフードの店で、ジジ・ババが「いらっしゃいませ」って言うのは見かけないね、そうなれば、いいなぁと思う。
 株価が大幅下落しましたが、景気の予測は当てにならない。最近、ワーキングプアの問題解決の一助として最低賃金を時給1000円で線引きをはかろうとしている案が出てきましたが、1000円であろうと、2000円であろうと、その結果、悪性インフレが進行して、1000円もらっても、実質は今の500円の価値しかないということになれば、元も子もない。
 ただ、そのようなインフレが進行すると、いわゆるB(正規雇用安定層)層も実質的な賃金ダウンとなって、B層とC(ワーキングプア)層とがより接近して問題を共有出来るプラット・フォームが生まれるかもしれない。

 最近格付け問題が大騒動になりましたけど、国が破産するとか、徳政令をやるとは私も思っていません。なぜかというと、どうしようもなくなったら国は超インフレを起こすに決まっていますから。そうすれば国の破産は防げる。
 格付け問題で私も財務省の言うことに同意します。なぜかというと国は倒産しっこないし、徳政令を布くことはないのです。あり得ない、そんなこと。また政府が転覆することもないと思います。格下げの定義が国の破産とか徳政令の可能性であれば格下げは誤っている。でも国はきっとインフレを起こさざるを得ない。そのような状況がいつかは来る、遅かれ、早かれ。
 そのときに徳政令でお金が返ってこないのと、100万円はきちんと返ってくるけれども、100万円がタクシーの初乗り分にしかならないというのと、どんな差があるのか私は疑問に思います。私は同じだと思うんです。ー藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義(光文社新書)−

 マクロ経済と連動しているのです。ミクロで千円獲得しても逆に状況がより悪くなったということもあり得るのです。年金、月額5万円しかもらえなくとも、20万円もらっている人と比べて、初乗りが100万円なら、目糞、鼻糞で似たようなものでしょう。
 年寄り達が心配しているのは物価に連動しない年金なら不安でしようがない、それで、思いきってなけなしのカネを投資に回そうとしている。郵便局、銀行が投資信託を初めて、もう100兆円を超えたでしょう。なのに、マーケットはこうなっている。
http://www.asahi.com/business/today_shikyo/TKY200702280295.html
参照:http://jpn.cec.eu.int/home/news_jp_newsobj2110.php