生き馬の目を抜く業

最新インサイダー取引規制―解釈・事例・実務対応

最新インサイダー取引規制―解釈・事例・実務対応

 《世の中が「自分のような人間」ばかりであったらたいへん住みにくくなるというタイプの人間は自分自身に呪いをかけているのである。》
 上に上げた箴言は、内田樹『モラルハザードの構造』からですが、ニュース報道になった『NHK職員のインサイダー取引』(双風亭日常より)』は他人事ではなく、自分事として考えるべきでしょうね。
 せめて、内田さんの言う、《「オーバーアチーブする人間」が「アンダーアチーブする人間」を支援するのは、慈善が強者・富者の義務だからではない。それが「自分自身」だからである。》という振る舞いを心ががけたいと思う。僕の周辺にも努力して頑張ってお金と地位を手に入れた人もいますが、この世の中がそのような人たちばかりになったら、そのような《「自分のような人間」がこの世に存在しないことから利益を得ている人は、いずれ「自分のような人間」がこの世からひとりもいなくなることを願うようになるからである。その願いはやがて「彼自身の消滅を求める呪い」となって彼自身に返ってくるであろう。》、成る程ね、内田さんは上手いことを言います。
 まあ、僕の周辺のそのような人は一方で「プータロー」が大好きだから、そのような陥穽に填らないが、そうでない人は気をつけて方がいい。この世の中、「生き馬の目を抜く」輩ばかりになったら、結局、自分自身の「生き馬の目」を抜くようになって、そして、「この世に誰もいなくなった」っていう状態になる。ぷーさんの存在がこの世を支えているという世の中の不思議さを僕は受け入れたいと思う。