小田光雄の出版状況クロニクル 8

相変わらず小田光雄『出版状況クロニクル』は目からウロコで、視界が良好になります。でも、グッドニュースはほとんどなく、雑誌の未来に暗澹たる気分になってしまう。ただ、このエントリーの14番で、来年の夏に丸善TRC(図書館流通センター)と共同持ち株会社を設立し経営統合するとのこと。小田さんは、《売上と株価の低迷、09年度の赤字決定から、親会社の大日本印刷の意向を受けた結果であろう。新会社への大日本印刷の出資は50%。今回の報道を通じて、TRCも大日本印刷の子会社となっていたことを知った。提携までは承知していたが、すでに株式の売却までなされていたようだ。TRCの石井昭たちはその売却金を寄付し、50億円の基金図書館振興財団を発足させた。来年から活動を始め、年間の助成予算は8000万円という。ぜひとも有効に使われるように願わずにはいられない。》と書いているが、出版社、書店だけでなく、図書館も四苦八苦している状況なので、この図書館振興財団が今後、どのような希望の一手を打つのか期待したいと思います。
石井昭さんと言えば、bk1の投稿書評を丁寧に読んで下さった人で、時々書評に関するコメントをアップしていたが、本当に本が好きで好きでたまらない人なんだなぁと思っていました。出版流通の再編成の中で色々と大変な状況でありながら、かような財団法人図書館振興財団を立ち上げたのを知りました。
出版流通のみならず、図書館のためにも頑張って欲しいです。エールを送ります。