体験映画


木村大作監督の『劔岳』を観ました。
監督は「体験映画」でしたと言っていたが、役者も監督自身も、山に登ってさて、撮影しようとしたら、誰も台本を持参していなかった。
登山では出来るだけ荷物を軽くするでしょう。最初に捨てられたのはシナリオでしたと、テレビのインタビューで浅野忠信香川照之が喋っていたが成る程なぁと思いました。現場ロケの臨場感が伝わってきましたよ。やはり、CGとは全く違う。山が主人公の映画でした。
山に触れた時、台本は捨てざるを得なかったのでしょう。撮り続けることで、撮り終わった時、編集の段階で徐々に映画のカタチが現れて来たのでしょう。
平日の昼間、地元のシネコンで観たのですが百人近く入場していましたね。ストーリーなんかどうでも良くてじっくりと映像を堪能できました。
それはそうと、ヘンデルサラバンドが流れたが、僕はこの曲が流れるとたまらなくなり、映像が胸の内に浸潤する気配を感じました。スタンリー・キューブリックの映画『バリーリンドン』でもそうでした。