唄入り観音経


ハリー・ベラフォンテが再来日のおり、ベラフォンテを招いた私的なパーティで、酔ったひばりは歌う。
齋藤愼爾著『ひばり伝』より要約p405)
竹中労の『美空ひばり』によると、ひばりが酔ってみだれず口演したのは三門博の『唄入り観音経』で伴奏なしで朗々、切々と唄った。そして、ベラフォンテほどのうたい手が圧倒されて涙ぐんで聞き呆けてしまった。彼のコンサートのレパートリーに組んでいた日本の歌を、『さくらさくら』のオープニング以外はすべてやめたいとプロモーターに申し出る。『彼女の民謡を聴いたので、私はニッポンの聴衆の前でこの国の歌をうたうことがとても恥ずかしくなった』と。