千里の山のこなた


『葬3号』に収載されている山内志朗の連載『まいどハカバカしいお笑いを!』を
ハカらずも読んでいると、こんな記事がありました。

 しかしながら、神妙な気持ちでお岩さんのお墓に行くと、いろいろ面白いことに気づきます。女性が奉納した卒塔婆が多いのです。DVに苦しむ女性がお岩さんに助力を求めているのかと思いました。祟る力を私にも与えて下さいという祈りが込められているのでしょうか。実際はぜんぜん違うらしい。というのも、祟りのひとかけらもそこには漂っていないからなのです。
 調べていくと分かるのは、お岩さんほど怪談に縁遠い人はいないということでした。お岩と伊右衛門は仲の良い夫婦で、お岩が住み込みで女中として働き、お金を貯めて、夫婦が幸せに暮らしていたのです。夫婦円満の典型として、お岩稲荷というのが当時からあったらしいのですが、それは決して祟りの故に有名だったのではないのです。鶴屋南北は、戸板流しといった当時の実話を踏まえて、いかにも怖そうに作話したのですが、その時借りた名前が「お岩」だったようです。お岩さんいお参りするのは、家庭円満を願う女性達だったのですね。p27

「戸板流し」の戸板と言えば、南陀楼綾繁著『一箱古本市の歩きかた』で知ったのですが、米子で五年前から開催していると言う「戸板市」(二ヶ月に一度、アーケドで開催されているフリーマーケットで、閉店している店の前ならどこでも出店できる。ひとりのスペースは戸板一枚。これは、昔の市で店の木戸を陳列台として使っていたという風習にならっているそうだ、戸板に載るモノならなんでも売ってよく、古着や雑貨、米や野菜、餅や牛乳などの地産品など、さまざまなモノが並ぶ。戸板の上でマッサージ屋を開業する人がいたり、自分で書いて装丁もした郷土史本を売るおじいさんがいたりと、アナーキーな空間が出現している。p170)
戸板の上で「エンジェルメイク」の実演もいいかもしれない。
先日、知人が千里ニュータウンあたりの郊外都市で街興しの仕事を始めたのですが、乗降客3万人超では、なかなか有名店の出店が難しい。駅前のモール街のようなところで、規模はデカイ。郊外都市としては、先駆けの街なのですが、僕の住んでいる街の方が魅力ある店舗が多い。あちらの街が登場した頃はまだ、こちらは田圃が目立つ街だったのに、逆転したのでしょう。今ではこちらの街の乗降客は昨日、駅員に訊いたら、乗客が25000人〜30000人で、乗降客としてカウントすると、少なくとも一日当たり、5万人はいるでしょう。*1
せめて物販店としてユニクロブックオフあたりは出店して欲しいねえ。
ダイソーは専門店フロアに出店している。でも、ダイソーは専門店でしょうか。結構、百貨店の専門店フロアでダイソーがありますよねぇ。
米子のように駅前モール街でも「戸板市」、「一箱古本市」にチャレンジして欲しいね。
万博公園が近くなので国際児童文学館を「おくる葬送イベント」ノリで世界一ビッグな「古本市」を立ち上げたらどうだろう?知事を引っ張り込んでねぇ。
そして、毎年恒例の「万博古本市」として定着させる。そんな大風呂敷を広げないと、かって日本で最初に自動改札を導入した千里の「人工都市」も再生が難しい。
知事は南港の方に関心が向いているが、万博あたりの千里は都市として面白いと思う。
ただ、高齢化がどんどん進んでいるが、思いきって若者たちに街作りをまかせる仕掛けが欲しい。
僕のようなジジィに訊いても「妄想発信」は出来るけれど、あまり未来にはつながらないなぁ。
ということで「お岩」で動画クリックしたら、加藤泰監督、若山富三郎の「お岩」の映画予告編がありました。見たいけれど、レンタルされているだろうか。
怪談 お岩の亡霊 予告 :

そう言えば千里のあちらの街にはシネコンがなかったですねぇ。