ネット番組:引きこもり支援・社会参加

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 今日の毎日新聞(2010年1月6日大阪夕刊)で、とても気になる記事がありました。
ネット番組:引きこもり支援、京都の学生ら企画 気楽に悩み語って

 引きこもりの人たちに音楽で勇気を与えようと、京都の学生らが今週から、応援ネット番組「senza tempo」(センツァ・テンポ)を始める。(中略)/引きこもり経験のあるシンガー・ソングライターたなかきょうさん(34)のライブを08年8月に聴き、感動したのがきっかけ。「一緒にライブを作ってみたい」と働きかけ、09年3月に「勇気の出るライブ実行委員会」を結成した。京都や新潟でライブを3回開いたものの、引きこもりの人に来てもらうことが難しいことなどから、ネット番組を企画した。
 番組名はイタリア語で「テンポにとらわれずに」の意味で、「束縛されず気楽にいこう」との思いを込めた。たなかさんらが司会を務める15〜20分間の映像で、月1回更新していく。天谷さんは「不安を共有できる場を作りたい。しんどさを受け入れることで気持ちが楽になることを伝えたい」と話している。勇気の出るライブホームページはhttp://g-ships.sakura.ne.jp/zerokara/yuuki/問い合わせは実行委へメール(yuukinoderuraibu@yahoo.co.jp)で。
精神科医斉藤環さんの話
 引きこもりの存在を世の中に喚起でき、当事者は「自分は忘れられていない」と感じられる。いろんなプラス面がある有意義な試みで、引きこもりがちの人がたくさん見るのでは。人間関係を完全に断ち切った「本物の引きこもり」はネット利用率が低く、多くの閲覧は期待できないが、情報発信は重要だ。

 どの程度効果があるかも予測がつかないが、オフでは他者と会おうとしない引きこもりの若者達の誰かがネットを通して他者との回路を構築するまずは一歩になればいいですねぇ。
 ところで、市の広報誌(2010年1月号)にもこんな記事がありました。
 引きこもりや不登校の若者の社会参加を支援するNPO法人「情報センターISIS大阪」の就労体験プログラムによるもので、地元のディサービスセンターに通って食事介助、お茶出し、施設利用者の話相手をしたりしている。ジョブコーチとしてそんな若者をサポートしている人によると「実践で自信がついたのでは。自発的に取り組む姿勢が見られるようになった」ということです。
 去年の12月24日にも毎日新聞で似たような記事がありました。

◇就労や復学支援も
 ひきこもりやニート若年無業者)、不登校の対策を定めた「子ども・若者育成支援推進法」の成立に伴い、府は今月、「地域における支援ネットワーク実証実験モデル事業」を始めた。枚方市のひきこもり支援団体「情報センターISIS(イシス)大阪」など府内のNPO法人4団体を実施団体に指定し、就労や復学の支援事業の参加者を募っている。【村瀬達男】
 他の団体は、ニート中心の「おおさか若者就労支援機構」=泉佐野市▽中高生向けの「ゆまにて」=同▽中学から20代が対象の「暮らしづくりネットワーク北芝」=箕面市
 イシスは独自に05年から就労支援事業に着手。若者はジョブコーチ(同行スタッフ)と一緒に週1、2回、デイサービスセンターでの食事介助▽公園の花壇の手入れ▽森林整備▽高齢者施設での映画上映−−などを実施。パソコン教室やコミュニケーション講座も受講でき、卓球やフットサル、ボウリングも企画。ひきこもりの若者宅をスタッフが訪れる訪問支援も行っている。(中略)/イシスは参加者を募っており、岡村勝・事務局長は「就労体験で人と交わり、生活のリズムを取り戻してほしい」と話している。参加費は月5000円。説明会は毎週火、木、土(要予約)。問い合わせはイシス(072・844・0399)。

 問題は本人(当事者)が自ら社会参加したいと言う動機なり欲望を持つかどうかでしょう。家族のものが無理矢理と言うわけにはいかない。