小田光雄の出版状況クロニクル22

週刊 東洋経済 2010年 2/20号 [雑誌]

週刊 東洋経済 2010年 2/20号 [雑誌]

小田光雄出版状況クロニクル 22 (2010年1月26日〜2010年2月25日)が更新されました。特に僕が関心を持って読んだのは以下の項目です。
(6):「大日本印刷傘下の丸善図書館流通センターが共同持株会社CHIグループの件」
(9):CCCの件
(10):日販の「総量規制」の件、大取次はやはり金融機関の機能を兼ね備えているわけ。
(12):『週刊東洋経済』(2/20)が「新聞・テレビ断末魔」という特集を組んでいる。確かに「何故?出版業界の断末魔」でないのか、次回に特集を組んでいるのかなぁ。
(13)(14)(15)の電子書籍の件。
(17):洋泉社の社長石井慎二の訃報の記事。小田さんの言葉を引用します。

[ 石井は洋泉社の社長というよりも、JICC出版局で、「別冊宝島」を創刊した編集長として、出版史に記憶されるだろう。
 08年に「別冊宝島」が1500号に達し、それを記念して『別冊宝島1500号 長くて曲がりくねった道』が出され、その巻頭に「伝説の編集者の声を聞く」というインタビューが掲載されている。
 『宝島』本誌が売れなくて、特集をまとめて一冊にすることを考え、76年に『全都市カタログ』から始まったこと、第三次産業社会、つまり高度消費社会のニーズに合わせた企画をセレクトしていったこと、活字ムック、岩波新書の若者版、知識マガジンというコンセプトの確立、ノンフィクション路線の樹立、サラリーマン、ビジネスマン向けの「業界もの」「実録もの」へ進出したことなどが語られ、とても興味深い。
 このインタビューは石井の食道癌手術後のもので、彼の最後の活字としてまとまった発言だと思われる。「別冊宝島」の功罪は多々あるにしても、戦後出版史における貴重なインタビューが残されているので、ぜひ読んでほしいと思う ]

合掌。