知らないと恥をかく世界の大問題

知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)池上彰の知らないと恥をかく世界の大問題37 イラスト図解版
団塊ジュニアの甥っ子はかような池上彰の『知らないと恥をかく世界の大問題』に関心を持たないみたいだが、平成生まれの高校生の甥っ子は「経済問題」に多大の関心を持っているみたい。確かに平成生まれの若者たちの方が「経済問題」に関して危機意識が高いみたい。

 「公的年金制度」は、当初は、若くて元気なうちにお金を積み立てて、年をとって仕事を辞めたら、これまで自分が納めてきたものを毎月少しずつ受け取ろうという仕組みでした。それが田中角栄首相のとき、「賦課方式」に変わりました。つまり、現役世代から保険料を徴収し、高齢者に年金を支払うという仕組みに変わったのです。
 私がNHKの「週刊こどもニュース」のお父さん役をしていたとき、「自分が積み立てたお金をもらうのではなく、若い人が払っているお金をお年寄りが受け取っているんだよ」と説明したところ、お年寄りから「若いもんの世話になっていない!」という抗議の電話がたくさんかかってきたものです。制度が変わったことを知らない人たちが大勢いたんですね。(p138)

 似たような勘違い、思い込みは結構あると思う。人々は見たくない現実を見ないで自分なりの「世界観」を構築しますからね。いまだにダーウィンの進化論を信じていない政治家もいるし、せめて、事実認識を確認、共有して侃々諤々してもらいたいものです。