松岡正剛/書痴遊人

◆6/9に梅田のブックファーストを覗くと、松岡正剛フェアをやっていた。去年、西天満の大江ビル地下にあった“アムズ”っていうクオリティ性の高い(何せ、最初に行ったとき、床が綺麗で、京都のアスタルテ書房のノリで、履物を脱いで、裸足になり、店員の方に笑われました)本屋なんですが、それだからこそ、いいものが存続し難い時代なのか、“アムズ書店”が撤退となり、サヨナラフェアの前に華麗に「松岡正剛フェア」が行われたのです。彼はぼくと同世代なので、「遊」のバックナンバーが陳列されているのを懐かしく拝見しました。そんな記憶があるので、ブックファースト梅田の「松岡正剛」の棚には足が止まりました。 『千夜千冊』っていうタイトルで棚作りしたのです。7/8の毎日新聞ひと欄によると、松岡さんは編集工学研究所のサイトを開設するときに、一日、一冊、全千冊の書評をやろうと決意し、00年2/23の第一夜中谷宇吉郎『雪』、第300夜のメルビル『白鯨』、第900夜の宮沢賢治銀河鉄道の夜』などを経て、7/7の『良寛全集』で完結したとある。ぼくもは先日、完結感想で「ああ、せつない」と“♯葉っぱがアフォード♪阿呆ダンス♪♪”にカキコしました。当初はアクセスが月40件程度だったが、今では23万件に。ネットでも、その書痴ぶり、エディトリアル・ディレクターぶりを遺憾なく発揮している。次の夢は600万冊を収蔵した本棚をそっくり街にする「図書街」をバーチャル空間につくること。本を引き出せば内容がのぞけるといった設計図もできているとのこと。とても、ぼくと同年の還暦男とは思えない。

『千夜千冊』『千夜千冊』っていうタイトルでnさんが棚作りしたのです。前回、お邪魔した時は、確か「脳」をキーワードで養老孟司さん、茂木健一郎さんの本がフェア陳列されていました。そこで、『アフォーダンスと行為』という本を購入しました。 ここは、五千円以上購入すると、店内の喫茶店で珈琲が飲めます。御堂筋に面してガラス越しにロケーションは結構なもので、予想以上に美味しい珈琲に堪能しながら、本を読みながら一服しました。そうそう、たけちよさん、『バグダッドからのEメール』が一階の42番の棚に一冊ありましたよ。でも、相変わらず『熱い書評で親しむ感動の名著』は一冊残っていました(補充された一冊か?売れ残った一冊と解釈するか、それが問題です)。探していた津島佑子の『本のなかの少女たち』はやっぱし品切れでした。書店員の女の子が津島佑子をしらなかったので、太宰治の娘なんだよと言ったら、「勉強になりました」と素直に受け答えしてくれました。そういう素直さは年寄りにとって、嬉しいものです。