鞍馬天狗の虚空剣♪

部屋の掃除をしています。ノートの切れ端に『平成鞍馬天狗』とタイトルした自分で笑ってしまった一文(メモ)があったので、このブログに紹介します。このところのカキコの流れに沿ったもので、ぼくは随分前からこんなことを気にしていたんだと、くだらないと思いつつ、自嘲しながら哄笑したのです。もし読んで笑ってもらえばこんな嬉しいことはありません。森岡正博さんも『感じない男』を完成したし、かような『男の性告白』は、まさに妄想過剰で、虚空の曼荼羅ですなぁ…。

それは、思いがけない発見であった。鞍馬天狗に金玉がなかったとは。アラカンこと嵐寛寿郎竹中労がインタビューした労作『鞍馬天狗のおじさんは』にその顛末が収載されていた。ユタカ(注:埴谷雄高)は思わず胸の中で喝采を博していた。スクリーンに疾走する覆面の天狗が、若い頃、沢山の女性に優しすぎて、ひどい淋病に罹りやむなく、玉取り手術をしたとは…。しかし、それでも、立派に刀は使いものになった。でも、子を孕ませることは出来ない虚空の剣だったのだ。晩年、若妻を娶った色ある嵐寛の秘密は、玉なくとも、この世を斬り、ラッキョウの皮を切り刻むが如き永久革命こそが、日本の夜明けの真の姿であると、(美空ひばりの杉作にそんなことを言ってなかった?)名刀に託して語っていたのではないか。彼は明治天皇も演じていた。玉がなかったとは…。

ここに唐突に埴谷雄高が出てきますが、埴谷さんが嵐寛について書いた一文があるかどうか、それを読んでかようなメモをしたのか、そのあたりのことは判然としません。まあ、ぼくの妄想による埴谷鞍馬天狗だと思います。悪しからず。