ゴダールー誤りの中にー

◆『女と男のいる舗道』の12の景の11景で娼婦のナナと老哲学者がカフェで話すシーンは印象的でした。

ナナ:言葉に自信が持てる?
老人:持つべきだ 努力して持つべきだ
   正しい言葉を見つけること 
   つまり何も傷つけない言葉を見つけるべきだ 
   傷つけない… 殺さない…
ナナ:つまり誠実であることね
   ある人が言ってたわ
   “真実は誤りの中にある”って
老人:その通り、
   それがフランスでは理解されなかったことだ
   十七世紀には人は誤りを避けることができるとー
   信じた者もいたが…不可能なことだ
   なぜカントやヘーゲルなど、
   ドイツ哲学が生まれたか
   誤りを通して真実に到達させるためだ