立川流梅林鶯噺

◆夕方から雨が降り始めましたが、朝、目覚め頃は暖かく晴れていたので、久しぶりに京橋、天満橋大阪城公園を歩きました。Pさんの図書館にリュックサックに単行本10冊ほどリサイクル用にと持って行ったのですが、結構、重い。谷町筋を登って大阪府庁の前を通り過ぎたのですが、思い返して引き返す。Y氏と京橋のコムズガーデンにある家族亭で蕎麦を食べる約束は13:30と、まだ二時間弱もある。府庁の食堂は結構、安くて美味しいのです。ぼくは結構役所の食堂を利用する。新宿に行った時は都庁の高層階にある職員食堂を利用して都内の眺望を楽しんだり、横浜で働いていた頃も、市役所、県庁の食堂を利用したものです。港が一望出来、乙なものです。ラッシュの時間を外して行くのでゆっくり出来ます。そんなノリなので、朝飯、昼飯の中間食をとるつもりで引き返したのですが、オバチャンのオススメで薩摩汁をメニューに加えたら、具沢山で中丼の汁椀、そして中に大きな薩摩芋が入っている。おかずも二点、(ブロッコリーと豆腐、里芋、卵焼きの惣菜)、(なます)で、ご飯となれば、どう考えたって食べすぎ、まあ、蕎麦屋では軽くきつね蕎麦だけにしておきましょうと、とうとう気合で食べてしまった(ぼくは外食でも出されたものは残しちゃあいけないと学習されているので)。お腹がパンパンの状態で、大阪城の大手門から豚風の動きで、石山本願寺から蓮如織田信長豊臣秀吉徳川家康と、大阪城の由来を書いている案内板を横目に歩きました。
◆やがて、視界が広がり梅林が一望できる坂上にやってきました。思わず溜息が洩れました。これだけ多くの梅林だと匂いが濃厚で、目の至福だけでなく、五感、六感を一杯拡げて、受信装置を精一杯全回転しましたが、さっき、食べ過ぎたので、そのぶん、脳内が鈍磨していましたね、満腹感で美しいものを鑑賞するものではありません。白梅の枝に鶯が三羽とまっていました。暫く鶯の鳴き声と動きを追っていたら、少しは腹の方も適当に消化を終えたみたい。人出は多かったけれど、殆ど僕よりは先輩の方々ばかりで、中国の人も多かったですね。平日だし時間も時間だし、日本の若者は殆どいなかったですね。先輩のみなさんは本格的なカメラ装備をして、三脚を抱えながらいいポイントを移動している。みなさん、豊かな老後を送っていなさる。ぼくは安上がりに、カメラも携帯も持たないで、ただ歩く。歩き疲れたら、リュックから本を取り出す。それから、青屋門を左手に大阪城ホール前を通り、MBS劇場(アイーダー公演中)から城見を通って京阪百貨店紀に行きました。DVDショップでふと、原田さんがワンコイン(500円)で名画のDVDを購入した“レビュー『群集』”を思い出し、店員に聞くと、それはひょっとしてアニメではないかと言う。いや、旧作の名画です。それなら本屋さんで売っているのではないか…。それで二階の紀伊国屋京橋店に行きました。でも、置いていない、念のために女性社員が端末でワンコイン・DVDで検索をかけたら、セブンイレブンで一月下旬から試験的に500円のアニメDVDを発売するとのデータが出てきた。でも名画ではない。原田さんはどこで買ったのかな?と問題解決*1(注:原田さんからコメントレスで解決)になりませんでしたが、ついでに昨日からの持ち越しの宿題、SさんからのQであった「立川流」を端末で検索すると、55件もヒットしました。でも在庫はなしで、取り寄せです。著者藤巻一保の本は画像でアップしますけれど、その他で気になった本を紹介します。

★真鍋俊照『邪教立川流』(ちくま学芸文庫)★中沢新一『悪党的思考』(平凡社ライブラリー)★笹間良彦『性の宗教 真言立川流とは何か』(第一書房)★歌川大雅真言立川流の秘法』(トクマブックス)でも、いずれも、紀伊国屋の棚にはありませんでした。

◆到着店蕎麦屋に入り、Y氏と食事。先日、Pさんに電話して“映画話『北の零年』”について、泣けなかったけれど、少なからず感銘を受けた。『ラスト・サムライ』より良かった。行定勲の映画は全部観ているんだが、今回のだけは評価出来るとのことです。それから、オヤジふたり、時局政談、いつも思うのですが、彼の話を聴くとどうしてテレビのコメンテーター達はせめて、素人の彼よりレベルの高い話が出来ないのか疑問に思ってしまう。彼の話を聴く方が面白いのです。
◆確かにブログを初め素人が発信するコメントはノイズが多いかもしれませんが、少なくとも決まり文句(クリシェ)でない自分の頭で考えた創造的なコメントが散見するが、とくにテレビで発するコメントはあまりに決まり文句(クリシェ)が多すぎる。NHKと朝日新聞の問題、フジサンケイグループライブドア大阪市市役所問題などでわかる様に、自分と直接利害のない対岸の火事である時の作法とその火の粉が自分に向かって降りかかってくるとときの作法とがあまりに違いすぎる。組織を隠れ蓑にした厚顔無恥の無作法さにはうんざりします。せめて、好き嫌いはあるかもしれませんが、堀江さんのように合理的な思考、合理的なわかり易い行動をとって欲しい。僕より同年の年輩の連中で企業のえらいさん、政治家達は情報公開、プラグマティクな思考、この二点だけでも、縛りを入れた行動をしてもらいたいもんです。裏でこそこそと、党派を越えて友情から忠告するんだと、安易に友情の大安売りをする心性は益々政治を堕落させると思う。政治は合理的、実用主義でクールに批評すれば、もっと、まとうな政治家をぼくたちは選ぶことが出来ると思う。閨にあっては立川流の非合理的な秘法を使ってもいいけれど、政治は違うのです。友人や恋人を選ぶように政治家・経営者を選んではならないのです。