お地蔵さんの詩

今日の夕方から明日、自治会で「地蔵盆祭」を行います。老母は毎年御詠歌参加しているので、慣れたものですが、僕はかような行事には縁が遠かったので、裏方作業をしながら、残暑の宵、を楽しみたいと思います。僕より年輩のお年寄り達は熱心で、回覧板にお地蔵さんの由来を記した署名記事をプリントして閲覧に供している。それによると、お地蔵さんは、古代インド(紀元前五世紀頃)で大地の神として仏教にとりいれられたという。正式のお名は地蔵菩薩。お釈迦さまがなくなってから次の仏になることになっている弥勒菩薩がこの世に現れるまでの、五十六億七千万年の間仏にかわって、お地蔵さんが修業姿で衆生(みんな)を救うことになったというのです。しかし、人間は慾が深くあつかましいのか、お地蔵さんの呼名は二十三もあるらしい。
将軍地蔵、子安地蔵(自治会の地蔵は子安です。この地蔵が一番、見慣れていますね)、子守地蔵、身代地蔵、とげぬき地蔵(おじいちゃん、おばあちゃんの原宿道りで有名な巣鴨の地蔵はそうですね、この近くに住んでいたことがあったので、よく行きました)、ほくろ地蔵、首切り地蔵、汗かき地蔵、歯痛地蔵、延命地蔵(これも多いですね、地蔵さんは大変です)、文遣い地蔵(この地蔵さんはどこにあるんだろう、御参りしたい)、艶書地蔵(元色町にあるんだろうなぁ…)、文造り地蔵(結構、文にまつわる地蔵さんが多いのですね)、あとは皆さんで調べてください。

地蔵和讃
 これはこの世のことならず/死出の山路の裾野なる/さいの河原の物語/聞くにつけても哀れなり
 二つや三つや四つ五つ/十にも足らぬおさなごが/父恋し母恋し/恋し恋しと泣く声は
 この世の声とは事変わり/悲しさ骨身を通すなり
 かのみどりごの所作として/河原の石をとり集め/これにて回向の塔を組む
 一重組んでは父のため/二重組んでは母のため/三重組んではふるさとの
 兄弟我身と回向して/昼は独りで遊べども/日も入り相いのその頃は/地獄の鬼が現れて
 やれ汝らは何をする/娑婆に残りし父母は/追善供養の勤めなく
 (ただ明け暮れの嘆きには)/(酷や可哀や不憫やと)/親の嘆きは汝らの/苦患を受くる種となる
 我を恨むる事なかれと/くろがねの棒をのべ/積みたる塔を押し崩す
 その時能化の地蔵尊/ゆるぎ出てさせたまいつつ/汝ら命短かくて/冥土の旅に来るなり
 娑婆と冥土はほど遠し/我を冥土の父母と/思うて明け暮れ頼めよと/幼き者を御衣の 
 もすその内にかき入れて/哀れみたまうぞ有難き/いまだ歩まぬみどりごを/錫杖の柄に取り付かせ
忍辱慈悲の御肌へに/いだきかかえなでさすり/哀れみたまうぞ有難き

南無延命地蔵大菩薩

真言

オン カ カ カ ビ サンマエイソワカ
口奄 訶 訶 訶 尾 娑摩 曳 娑婆訶