人工身体論

掲示保板(11/6)樫村晴香のテキスト入力をした人が樫村さんの書評データをアップしている。「書評:金塚貞文著『人工身体論』 ーあるいは糞をひらない身体の考察ー『週刊読書人』87.03.16号」なのですが、この本は中々面白そう。チェック。『樫村晴香 欲望の閉鎖的自己循環の保全を企図』です。冒頭を引用。続きは保坂和志コムで…。

書名から予想されるハイパーリアルな調子とは反対に、著者の思考はスカトロジーへの偏執を媒介として、人工的で透明な都市文明、効率のみが覇を制する資本主義的明快さへ執拗に抗がいつづける。その主張は政治的な形でとりだせば、概ねエコロジスト的なものであり、すなわち経済効率の追求による自然生態系の破壊などに異を唱える。だが、著者の主要な関心は、狭い意味での政治には存しない。むしろ著者にとっての最大の関心は、人工的都市であれ、エコロジスト的自然であれ、客観的に構築された象徴世界の明快さからこぼれ落ちた、一人称的で交換不能な、欲望の閉鎖的自己循環を、<負性の身体>の名のもとに、具体的には<糞尿>を媒介として、保全してやることである。