商品としての本

 双風亭日乗『AMPと中味検索』を読むとアマゾンの流通システムの合理性に驚いてしまう。アマゾンでは一円で売っている商品がありますが、それでも儲かる。結局送料の取り分が運送会社からバックされるのであろう。もしこれが郵便局なら民営化なら可能であろうけれど、そうでないならあくまで実費で配達料の上前をはねることは出来ないのだろうなぁと思いました。交通、流通コストは目に見えにくいので中々気がつかないが、東京で暮していた頃は殆どチャリンコで都心を気軽に移動していたことを思い出します。交通費なんて必要ない、勿論、超大書店にもチャリンコでいける圏内にあるし配達料は必要ない。でもアマゾンの流通倉庫は千葉県の茂原にあるのでしょう。そこまで、チャリンコでは行けないが(笑い)、
 仮に行けるとしても、「一円の本」をテイクアウト出来ないのでしょうね。「配達料込みでしか買えない」のでしょうか。まあ、最低限1500円以上購入して「一円本」を混入させて結果として送料を無料にする。そういう購入の仕方をみなさんなさっているのでしょう。僕はまだアマゾンで買ったことがないのでわからないが、色々便利の良いツールをどんどん提供するアマゾンは益々無視できない存在になってきている。
 再販維持制度なんて実体として崩れる方向性は加速されて形骸化されるでしょうね。だからこそ、取次、版元、書店サイドから再販維持制度を含めた出版流通改革を積極的に一歩先んじてやる必要があるのでしょうね。“なかみ検索”って急速な時代の流れを感じます。ネット上の著作権の問題は早急に解決の筋道をつけなければいけないでしょうね。製本化されて本になったものだけが、印税の対象になると言っても「一円本」はその対象にならない。古本、新中古本の権利関係、電子テキスト、そのような知的財産権はleleleさんも書いているように法大の白田秀彰さんたちのお仕事なんでしょうね。本とは印刷されて製本されて始めて本になるのか、印刷されないで電子テキストでも本であるのか、リアルとネットは別の商品として考えたらいいのでしょうね。