悪ってなんだろう?悪人列伝 (1) (文春文庫)

 姉歯の国会証人喚問中継を老母と一緒にテレビにかじりつく。90歳を目の前にした年寄りにとってもこの偽装問題は最大の関心どころの一つなのです。まあ、『水戸黄門様』に似たノリなのですが、何で悪いことをした人を、上に立つ人が罰しないのか、「上に立つ人はわれわれのことで、結局は、政治をする人をわれわれが選ぶので、われわれが、政治を、歴史を勉強して、ちゃんとしなくてはならないのだ」と揶揄すると、怒るわけです。「そんな、ややこしいことはわからない、本当のところがどうなっているのか、それをちゃんと勉強せよ、と言ったって無理だ」、「政治家や、お上や、上に立つ人は、何が悪いことか、正しいことか、わかっているはずだ」、爺婆に賢くなれと言ったって無理だ。それなのに、年よりは狙われ、騙され、ちっちゃい子が殺される。昔、若い子達が国会へも押しかけていったではないか、今じゃあ、強いものにはへつらって、臭いものには蓋をする。
 姉歯証人は落ち着いていましたね。老母に好印象を与えたみたいだ。ヒューザーの小嶋社長とか、総研内河会長、木村建設の会長が一番の悪だと罵っている。何か生活感が漂って、「やってはいけないとわかっていたが、弱い自分がいた」と、そのしおらしい台詞にちょっぴ感応したみたい。それに引き換え、特に総研内河社長は喋りも上手いし、いかにも老紳士という風情ながら老母にとって「悪代官」に見えたらしい。朝から夕方まで、僕は途中で出かけましたが、老母はず〜とテレビ観戦でした。
 しかし、戦国武将の悪人たちは「生き馬の目を抜く輩」ばかりでしたが、魅力あるアンチヒーローでしたね、という連想で昔愛読した海音寺潮五郎の『悪人列伝』を思い出したら、もうとうに処分していました。絶版ですかね。こんな復刊リクエストサイトがありました。
 今冬のボーナスは大手は平均、百万円ですか、景気がいいんですね。
参照:速報! 関西でのトークセッション - シャ ノワール カフェ別館