偽装派遣、偽装請負

がんばってよかった―派遣から正社員へ

がんばってよかった―派遣から正社員へ

 まっちゃんさんの『偽装請負メモ』は、僕の前日のエントリーと重なってしみじみと読んでしまった。実際に協力社員というネーミングがついていたが、実際は偽装派遣偽装請負の疑いがあった。民間企業はそのようなスレスレのところで労基法、派遣法、職業安定法の脱法を行っている。
 このあたりの事情をこちらのサイト『労働相談 偽装派遣』はとてもわかりやすく説明してくれている。

◆税務署等に個人事業主として届出を提出させておき、「請負関係」と称しながらも、実際には指揮命令下に置いて雇用責任を逃れようという事業主も存在します。
◆「派遣社員のつもりでいたのに、いつのまにか個人事業主になっていた」。
◆通常の派遣では、派遣会社と雇用契約を結び派遣社員となって派遣先企業で働くが、業務請負は仕事ごとに発注先と請負契約を結ぶ。このため、働く個人は労働者ではなく個人事業主扱いとなる。つまり、経費を会社に請求できた社員から自費で賄う自営業者扱いになったのだ。
公共職業安定所は、こうした偽装請負について、職業安定法違反ではなく、労働者派遣法違反として摘発をすればよいとしているようです。職業安定法違反であれば、供給元・供給先ともに処罰する規定があります。
◆民事的には、違法派遣の場合、派遣先に直接雇用されるという方向で解決するのが、労働者保護と使用者責任を明確にする点から重要です。
◆しかし、実際にはなかなか直接雇用にまで至らないという問題が残っています。とくに、日本では違法派遣の場合、ドイツ、フランスのように派遣先の雇用責任を明確にした規定がないことも理由の一つです。

 膨大なテクストなどで、まだ全部読んでいませんが、色々と勉強になりました。画像の本は暁明館病院事件を取り扱った『がんばってよかった 派遣から正社員へ』(民主法律協会派遣労働研究会編)という本ですがチェックです。