フィージビリティのある専売復刊

 そうか、こういう本の売り方もあるのですね、書店サイドから言えば、他店との差別化を棚で行うこととは違った視点で可能性が増えることになり、書店員としてもやる気が出てくるでしょうね、
 ウラゲツさんはこの専売復刊方式において、例えば、こう書いている。

A書店で専売復刊となったとき、あるいはカバーや奥付にその書店の名を冠したり、あるいはその書店の要望にしたがって装丁を変えたりという試みも不可能ではありません。書店主導で本をカスタマイズしていく、そうした試みもあっていいと思います。

 ちょいと「無印良品」みたいなやり方ですが、直で買い切りなら、すだれ(毛這い)のバーコードも必要ないから、その定位置にバーコードの替わりにロゴマークを入れるのもいいですね。
 本屋独自のブックカバーを生かした装幀をやってみるとか、色々と妄想が膨れあがります。本屋で付加価値を創造する試みは単店だけで無理なら、専売復刊したい本をネットなどで情報交換して本屋のネットワークで行動を起こす。
 本屋ではないけれど、保坂和志さんが今年、小島信夫の『寓話』をネットの仲間たちで独自の装幀で復刊出版しましたが、個人で出来ることが本屋で出来ないことはないと思うのです。
 今回の専売復刊は文庫でしたが、専門書、単行本で、どの程度フィージビリティ(実行可能性)があるかどうかですが、あると信じれば、知恵は出てくるものでしょう。