茂木さんと保坂さんの悦ばしき饗宴

饗宴 (岩波文庫)
 「書き言葉」より「話し言葉」の方が上、って茂木さんが是枝さんとの対談の中でもプラトンを持ち出して言っていたなぁ…。それはそうと、数年前、ブックファースト梅田店で茂木さんのトークイベントがあって、小さな喫茶室だったのですが、茂木さんの話があまりに面白く、何回となく爆笑してしまいました。確か、小林秀雄の語りが志ん生に似ている(でも、kuriyamaは円生に似ていると思うのですが、埴谷雄高は円生より円生らしいので、やっぱし、志ん生小林秀雄って思った方が収まりがいいいか、それは兎も角、お二人とも書くものは難解で全著作を読破してはいませんが、CD何かで聴くと言葉が身体に染みいるというか、もの凄くわかった気になるのです。)として茂木さんが物真似をしてくれたのです。
 サイン会の予定はなかったのですが、サービスですることになり僕も並んでサインしてもらったのですが、一人一人に喋りかけて話が長くなり、列がなかなか前に進まない。茂木さんのサービスというより、茂木さんて、見知らぬ人と話すことが楽しくて仕方がないという、「多動症的な陽気」さなのです。
 是枝さんとの対話の中で杉村春子『誰も知らない』の茂役の木村飛影君の「ちゃかちゃか動き回る」、予測しがたい行動について喋っていましたが、茂木さんは、まさにそんな人だと思いました。
 保坂さんは講演しか聴いていないのでそんな体験はないのですが、とても面白い人だと思う。多分、平気で痛いところを突く辛辣な人であるけれど、知らない人と話しても自然体で話せる人でしょう。教室とか、「書き言葉」で話が出来ても、対面で「話し言葉」で忌憚なく話せる学者、言論人、いわゆるエリートと目される人たちが少なくなったのではないかと、最近のエリート達と思われる人々のやりとりをネットでロムして思ってしまう。
 問題がこじれたら、オフで当事者達が集い、一杯やりながら、喧々諤々やって、それで、絶交なら面と向かって言えばいい、たかが、ネットだと僕は思うのです。喧嘩は裏ではなく表でやるべきですが、せめて裏でもいいですから、ネットではなくてリアル場でやって欲しいものです。
茂木健一郎 クオリア日記: 時にキラリと宝石のように輝くなにか
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あれ〜ぇ、もうじきアクセスが二十万ですね、ご愛顧ありがとうございました。これからも遠慮なくノックして下さい。でも、二十万目を踏んでも、何にも出ません、その替わり踏んだ人にはきっと良いことが近々あると思います。