マンガミュージアムで陳列平台を椅子と間違ってしまった。

大人の塗り絵ノート 「鳥獣戯画」編
 少し、前のネタで恥ずかしくて公表しなかったんですが、夏目房の介さんの『京都国際マンガミュージアム』の記事を読んでいたら、やっぱし、方針としてお客さんが滞留しないように椅子をあまり置いていなかったのですね。ぼくはこちらの小学校の履歴を展示した教室内で窓際にこの学校のことを書いたマンガ単行本が長テーブル?にフェイス陳列されていたから、ゆっくりと拝見しようと、無意識に、ソファーと解釈して当然のごとく、70キロの体重で座ったのです。「ガッチャ!」って、イヤな音がしました。一瞬、何が起きたのかわからず、僕はフロアに尻餅をついてしまいました。陳列用の低い長平台だったのです。スタッフのみなさんが飛んで来ました。硬貨ガラスか、プラスチックか確認にしませんでしたが、底が抜けたわけです。きちんと固定していたら割れていたかもしれないが、割れる前に外れたので事なきを得たのでしょう。僕は床に座り込んだまま冷や汗をかきました。
 スタッフの方が「大丈夫ですか」と声をかけてくれたのですが、高さと言い、椅子と間違います。まあ、子どもの視線からではそんな間違いは犯さないと思うのですが、僕は当然のように座ったのです。ずら〜と本を並べたディスプレイをしていれば、本があるからバリアになったかもしれません。少なくとも「待てよ!」という判断が働いたかもしれない。スタッフの方もそういう学習をしたのか、今度は僕のようなトンマオヤジの振る舞いを防御するために空間を置かない陳列をやり直しました。
 でも、やっぱし、図書館を併設するような閲覧室が欲しいですね、ただ単に棚を眺めるだけでは物足りない。勿論、立ち読みは出来ますが、狭い廊下だから、長時間の滞留は無理です。チケットの半券を持ってその日に限って出入りが出来るから、図書館方式が無理なら、会員登録をして、一日貸出を認めて近くの公園、喫茶店で読んで返す。そのような仕掛けをしないと、リピーターは難しいのではないでしょうか、まあ、珍しいアニメ映画の上映会とか、マンガに特化したミュージアムとしてリピーターを惹き付けるイベントを打ち続けることも必要ですが、貸出、ゆっくり閲覧、そんな地道な方途も大切でしょう。今のところ、全体像が見えにくいですね、立地はとてもいいところです。
 ただ、点としてのマンガミュージアムが一つの波紋として大阪ミナミに自然発生的にアメリカ村が街として広がりをもったようなムーブメントの切っ掛けになればいいですね、烏丸通りは静かな大人の通りです。ナンバの日本橋や、東京のアキバとは違う街通りなので、関連店舗、コミック専門店とか、フィギュアの店とか、ゲーセンとかをなかなか出店出来ないと思う。そんなサブカル通りではないのです。まだ河原町通りの方がそのような猥雑さがあります。でも、御堂筋の西側もそうだったのですが、あんな風に変貌したわけです。まあ、こちらの烏丸通りはビジネス街、ブランド街っていう感じで、ちょいと上品に構えた「京都国際マンガミュージアム」といったところでしょう。アカデミックなマンガの拠点として、サブではなくメインカルチャーとしての自負からメッセージを伝えようとしているのでしょうか。日本だけではなく世界を見据えているのでしょう。まあ、鳥獣戯画の伝統があるのだから頑張ってもらいますか。