ご当地雑誌フォーユー

オンライン書店ビーケーワン:枚方Walker
 ◆藤原新也さんが問題提起した『新風舎』の諸々は様々な波紋を拡げていますが、出版・流通に関して見事な交通整理をしてくれる小田光雄さんの読書人から消費者へという分析を敷延すれば、今は消費者から体験ツアーのような「作り手」の時代なのでしょうか、確かに『新風舎』がやらなくともどこかがやったであろうという、市場があったから、サービスを提供したという身も蓋のない夢売り商人の話になってしまう。傍がどう思おうと当事者がハッピーな関係ならば問題がない。それが、どうやら、出版流通の現実を突きつけられて、そんな筈がなかったと、アンハッピーな人が声を上げ始め、ネットという使い勝手のいい道具が『新風舎』の実像に迫り始めたということなんだろう。
 ◆そんな「自己表現ビジネス」もさることながら、角川系の全国区の版元だと思いますが、「ご当地ビジネス」をモロに旗立てて、こんな雑誌が発売されました。僕は夕食の材料を仕入れに生協のスーパーに寄ってレジで決済したら、ポイントがたまって500円券をもらってしまった。思わぬバックだったので、雑誌でも買うかと棚をみたら、『枚方Walker』が差してあったのです。そんで、買ってしまったのですが、ページを開くと本日オープンするシネコン『シネプレックス枚方』が掲載されていました。他の記事は食物屋がほとんどで、継体天皇が即位した場所だと言われる交野神社とか、そのような史跡を紹介する頁が殆どない、あるのは「枚方はじめものがたり」で、「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(TSUTAYA)の創業者増田宗昭さんのインタビュー記事がアップされている。やはり角川ビジネスは抜け目ない。ちゃんとペイ出来るのでしょう。枚方市の人口は41万人です。どれくらいの実売部数になるんだろうか。さっそく、チャリンコで国道一号線を走って枚方初のシネコンで『硫黄島からの手紙』を見るとしますか、でも、いい席が取れなかったらやめだなぁ…。ありゃ、溝口健二の映画をやrますね、こちらを見てもいいか…。
参照:ペソペソに訊け - Übungsplatz〔練習場〕