ある結婚の風景

　リヴ・ウルマンとエルランド・ヨセフソンとの競演、『サラバンド』（しかし、ウィキペディアの項にはサラバンドの履歴が未編集）の残像が強烈に残っているのですが、図書館にベルイマン・ビデオ全集が全巻そろっていましたね、１９７４年製作の『ある結婚の風景』を借りてきました。１６２分ですよ、ウルマンとヨセフソンの夫婦生活を延々と鑑賞したのですが、殆ど言葉だけのやりとりなのに、見ていて退屈しなかった。
　しかし、執拗に「愛」を描く監督には脱帽です。『サラバンド』では３０年以上を経て同じ俳優が『ある結婚の風景』の続編としても演じられているわけですから、そのパースペクティブの広がりは恐るべきものがあります。その間の３０年間が前作の『ある結婚の風景』にも違った解釈をあたえたと思う。僕は『結婚の風景』を７４年時に見ていないので比較は出来ないが、先に、『サラバンド』を見て『ある結婚の風景』を見るならば、７４年時と全然違った風景が見えるに違いない。