本の隠れ家

松岡正剛千夜千冊 [ 松岡正剛 ]小林秀雄講演 第2巻―信ずることと考えること [新潮CD] (新潮CD 講演 小林秀雄講演 第 2巻)黒い花びら (河出文庫)
 僕が時々行く大阪府労働情報プラザは社会労働の専門図書館なのですが、今日、久しぶりにお邪魔したら、何と、松岡正剛の『千夜千冊』が全巻、新刊棚に並んでいました。
 びっくりして、こちらの図書館さんが、購入したのかと、その決断に目を剥いたのですが、冷静になって、「アリエナイ」と奥付を見れば、個人の御寄贈の印がある。豪気ですね。
 僕は近くの図書館にもリクエストして取り寄せてもらったのですが、その重さというか、内実ともにそのボリュームに圧倒されて、つまみ食いの表層だけを撫でた読みで、まあ、ネットで殆どのテクストがアップされているから、そちらで、読めばいいやと、返却したのです。
 改めてリアルな『千夜千冊』に遭遇したわけで、懐かしい人にあった心地して、寺山修司が愛した「大山デブコ」(屁爆弾さんのブログからチョイス)というような連想が働いたのか、一番ファットな七巻に目がいきました。
 タイトルは『男と女の資本主義』です。写真は十文字美信さんで、エロいのです。そしてここにエロい男と女がみんないますっていう感じです。
 1500頁越えるのですからね。それで偶然めくった頁が、「♪黒い花びら 静に散った」の『第1111夜・村松友視の黒い花びら』です。水原弘
 最近、川内康範と森進一のわけのわからぬ確執で、『君こそわが命』を水原弘に贈った川内康範の男気が引き合いに出されて、このところよく水原弘の名前を耳にするようになりましたね。
 それで、暫し図書館で立ち読みしたのですが、松岡さんの文章がすごく懐かしい、黄金の1960年代前夜なのです。『黒い花びら』は第一回目のレコード大賞をとったのです。そう、僕は高校生、松岡さんも高校生、懐かしさがこみ上げるのは当然です。昭和30年代後半です。じっくりと読みたくなりました。それで借りたのですが、重い!
 ネットと違って本書のリアル場では、小池純代さんの短歌が全夜、新しく、掲載されており、全句を集めればそれだけでも、単著の句集が出来る。
 今夜の句は…

遊君木屋町ベラミ会者定離槿花一朝水原弘

 「いうくんのきやまちべらみゑしやぢうりきんくわいつてう水原弘」と詠むのです。
 ベラミは京都にあったクラブです。懐かしい、っと言っても前は通ったけれど、一度も入ったことがありませんでした。
 この図書館は労働関係の専門図書館ですが、様々な人たちの寄贈本があって、とてもスリリングな本との出会いがありますよ。僕が寄贈した本で、一番、目方が重いのは森岡正博さんの『無痛文明論』です。どうです、眠っている本があれば、寄贈に出かけませんか?
 スタッフに声かけて取りに来て欲しいと言うのは難しいでしょう。時間と労力の余裕がないみたいですから、ご面倒でも、送るか、自分で持って行くしかありません。せっかく持って行っても棚と倉庫のスペースは限りがありますから、蔵書しないで、リサイクル棚に並べて来館者の方々に「お持ち下さい」ということになります。
 蔵書で棚に並べるだけでも色々な作業が加わります。カード作成、フィルムを貼り付けたりとか、コストがかかるのです。だから結構、コスト意識で吟味します。まあ、当然でしょう。「善意」だからと言ってそれで、全てが順調に運ぶわけではないのです。
 まあ、それは、仕方がないでしょう。ここは、寄贈された「コミック」もあるし、雑誌『風の旅人』のバックナンバーがあったり、小さいけれど図書館の穴場です。この館は「ジョブカフェ」もあるし、僕のような高齢者を対象にした職業相談のセクションもあるし、大阪の「働く情報センタービル」でもあるのです。様々な人たちが春を迎えたみたいですが、どうです、一度足を運んだら…。
 それから中之島図書館に行って小林秀雄講演集CD版を五セット借りました。
 下に紹介した早稲田文学復刊0号を購入すべくジュンク堂大阪本店に寄りましたが、まだ、発売されていませんでした。その代わり「waseda bungaku」のフリーペーパーをもらったのですが、オモシロイ!こんなにオモシロイとは、フリーペーパーはもの凄く進化を遂げているのですね。有料の雑誌よりは読み応えがあるとは、帰りの電車で中森明夫×重松清の対談を楽しみました。
 復刊0号は、パイロット版で、1000部しか刷らないとのこと。それで、発売されても店頭に並べられるかどうか保証出来ないと書店員のお言葉したので、予約しました。ネット書店ではどうなんだろうか、殆ど予約で完売になるんではないか、しかし、フリーペーパーに載っていたこの広告は不安をかき立てられる。

わせだぶんがくゼロごうでません。
よんがつはうそです。
もうでなくていい。
だぶりゅうびーもあたらしくなる。
ろくがつだそうだ。
そんなさきのことわししらん。

 すなおなジジィなので、ふあんになりました。でも、入荷したら、葉書連絡してくれるとのこと、お世話様。