大叔父かぁ

 姪に子供が生まれました。『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べたら、姪孫って言うのですね。

姪孫(てっそん)とは、本人から見て傍系4親等の親族で子供で甥・姪の子(兄弟姉妹の孫)を指す語として、また甥・姪の子の配偶者を指す語として使用される(配偶者は親族に含まれない)。特に男子は又甥(またおい)、女子は又姪(まためい)と書く。配偶者側(姻族)と養子、連れ子の場合、本人とは義理の関係にあたる。姪孫から見れば自分は大おじ・大おばである。

 蒸し暑いので、星新一の『たくさんのタブー』(新潮文庫)めくっていたら、身重の女性が出産の日を迎える「悲哀」というショート・ショートを読んでしまった。

 やがて、出産の日となる。医師がやってきて、職務をはたし、帰っていった。しかし、うぶ声はひびかなかった。彼女は夫に聞く。
 「どうなの……」
 夫はだまったまま、首を横に振る。生れはしたのだが、それは人間の赤ん坊ではない。生物ですらない。純金の塊なのだ。まばゆく輝いている。
 「またなのね……」
 声をつまらせる。これまでも、いつもそうだったのだ。彼女は、目から大粒の涙を流す。それは衣服にふれ、床に落ち、手のひらにもしたたる。そして、どれも、そのとたんダイヤモンドになるのだった。

 ○○ちゃん、よかったね、おめでとう!
 金塊ではなく、ダイヤモンドでなくて、
 でも、大叔父は金塊すら、ダイヤモンドすら
 生むことができやしない、
 それも、「哀しいね」。