りちりとて むろめめくいと こむいらし

詩的リズム―音数律に関するノート (1975年)

詩的リズム―音数律に関するノート (1975年)

 武田徹オンライン日記の「知ることの功罪」で、武田さんは、「無知の知」ではなく、「知の無知」?って言う思考実験をしている。「知る」ことは「知れなくなる」という問いです。僕も思い当たることがあります。このことについて考えると結論なき深みに落ち込んで、それもまた大事なことだと思うのですが、又、いつかそのことについて、書いてはみたいと思います。
 先ほど、「JC-Nex!」第7回に赤木さんが登場していたので、聞いてしまいました。音声による赤木さんの語り口はブログによる印象とは随分違うと思いますよ。まさに他の人達が言っていたように「優しい人」。
 ところで、武田さんは、日本語のリズム論に凝っているらしい。「何を言うかよりも、どう言うかが大事だし、どう言うかは実はどのようなリズムの表現で言うかに、言った本人も言われた当事者も気付かないけれど、大きく依存しているのだと思う。」と書いている。
 偶々読んだ茂木健一郎の対談集『芸術の神様が降りてくる瞬間』のジャズピアニスト山下洋輔の章で、「リズムだけで俳句は成立した」(p202)として「ハナモゲラ俳句」を実際にギターの渡辺香津美にコンピュータに作らせたら、「りちりとて むろめめくいと こむいらし」、「たつけんみ そほしむらいろ とてんつき」という俳句が出来上がったらしい。何かいいでしょうw。
 実際、僕は聴いていないけれど、山下さんは五・七・五俳句という曲を作って演奏もしているとのこと。音の俳句です。「♪タラタタタ、タラタタタラタ、タラタタタ」と音の高低もつける。
 菅谷規矩雄『詩的リズム論』は読んでいないけれど面白そうですね。三鷹図書館も懐かしい。近くに住んでいたことがあるのです。僕もこちらの図書館で探してみます。