知事よ泣くなよ、ニコニコオオサカへ


 街から本屋さんが、毎日、消えていっています。毎年600店が消滅なのです。近いところではオオサカの顔とも言うべき旭屋書店が銀座に出店したのは、昭和40年11月だったのに、東京旭屋書店の銀座店と水道橋店が閉店となるらしい。どんどん、何かが失われて行く。
 大阪府は財政非常事態宣言を出しましたねぇ。大阪府財政再建プロジェクト試案 によると、博物館、体育館、労働センター、図書館などが取り上げられているけれど、ここまで、追いつめられているのかと寂しい気持ちになります。
 僕にとって身近なのは本屋さん、図書館なんですが、本屋だけではなく、図書館までかような事態になっているとは知りませんでした。地域はここまで劣化しているのか、余裕がないのか、でも、余裕がなくなったからと言って、床の間、仏間も潰すような蛮行は許されるのか、一度、消したものは取り戻すことは出来ない。
 色んな方策があるはずです。色んな智慧府民から集める手だて(情報の収集)をやらないで、先に結論ありきではナットクできない。人と金の問題には解決策は必ずある。かって、広島カープが存続の危機に立たされたおり、「たる募金」がありましたよねぇ。その「たる募金」が復活して、来年度に新広島市民球場が出来るのでしょう。府民が動けば山は動く。そのために、情報公開は必要だし、「何が大切なのか」というリテラシーが身につける必要がある。
 資本制の中で、人間として細胞のひとかけらまで根こそぎ消費(搾取)される市場に生きざるを得ない、そんな土俵際で、『人間の生命ほど大切なものはない』では、「いのち」まで、搾取(消費)される。だからこそ、『生命以上に大切なものがある』という飛躍が必要かもしれない。そこから多分「倫理」は立ち上がるのであろうが、そのような「倫理」なくして、金勘定だけで政治は経営出来るほど甘いものなのか、そうではないはずだ。中途半端に蹈鞴踏んでいたら、搾取(消費)されるだけだ。石川忠司の『衆生の倫理』を読みながらふとそんなことを思いました。
 府知事の目的は「大阪の発展」でしょう。魅力ある大阪の町つくりでしょう。経費削減は手段でしょう。目的ではないのです。知事には太閤秀吉の千生り瓢箪を掲げて欲しい。「世界のoosaka」の気概を持って欲しい。秀吉に涙は似合わない。金は美味しいところに、いや石川忠司の言葉を拝借すれば、「覇気」あるところに集まるのです。そんな大阪の環境整備をするのが、行政の仕事だと思う。 
 ということで、大阪の社会・労働関係専門図書館の存続を求める会のメッセージを紹介します。僕は存続の支援の決断をしました。賛同クリックしたのです。
 参照:パイレーツ大阪の似顔絵ウェルカムボード

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

 菅谷 明子著 『未来をつくる図書館 』で、ある書評氏は、こんなことを記していた。

1996年、当時のあのルドルフ・ジュリアーニ市長は、科学産業ビジネス図書館の開館式でこう挨拶した。「科学、産業、ビジネスの分野で、ニューヨークは世界の中心的役割を果たしています。図書館建設には莫大な資金がかかっていますが、われわれが得られるものに比べれば些細なものです」。著者はこれを受けて「このように、個人が力をつけることが、やがては社会全体を潤すことにつながると、明確に意識されているのだ。無名の市民の潜在能力に賭け、それに対して惜しみない援助を与える前向きな姿勢と懐の深さは、アメリカの繁栄を支える大きな柱である。」と書く。誠にそのとおりである。アメリカの時代はまだまだ続くであろう。

 図書館はその都市の行く末を占うメルクマールたり得る。知らない町へ行くと必ず図書館に行きますね。引っ越しをする時も近くにどんな図書館があるかチェックしますねぇ。ネオリベアメリカだって、図書館の大事さをわかっているのです。