一冊の本よりは「安全といのち」

 とうとう、僕が存続を訴えていた図書館が廃止に決定した*1ようですが、橋下知事は「削減ばかりでは大阪は元気にならない」と「大阪維新プログラム」を構成する柱の一つ「重要政策」の全容が明らかになったとの日本経済新聞の報道(5/31)がありましたが、その【08年度予算に盛り込まれる予定の主な重要政策】の一覧表を日経の記事を参照して図表してみます。

項目 重要政策 予算 拙コメント
医療 救急車の適正使用を呼びかけるキャンペーン 約1800万円 単なるキャンペーンではなく、タクシー代わりにしない制度作りが大事
妊婦搬送のためのコーディネーター 約3700万円 地域の民生委員の活用を
救急医療情報システムの改良 約4億300万円 昨年癌登録をしようとしましたが、まだ制度が整備されていなかった。
教育 教員OBらによる放課後の補習 約5400万円 むしろ民間人導入を考えた方がいい
小中学校の少人数・習熟度別授業 約4億3100万円
スクールランチ等推進協議会の運営 約500万円
景観 御堂筋でのイルミネーション実験 約4100万円 ディズニーランド化したいわけ?
堂島川や大川のライトアップ実験 約4800万円 本よりは遊園地
石畳と淡い街灯のまちづくり支援 800万円 癒しの街?
国際交流 海外でのトッププロモーション 約1200万円
上海市との人事交流 約500万円
産業振興 中小企業の販路開拓支援 約4000万円
彩都などのバイオ医薬品の開発支援 約3700万円 http://www.saito.tv/what/index.html公営カジノはどう?

 36事業に約23億円を計上したとのことです。一冊の本もいのちも、ではなくて、いずれかの選択を強いられる「動物化の時代」としての「アメニティ装置」が政治の最大の関心事なのでしょうか。一冊の本で悩むより、快適に心地よいマッサージを受けたいという人々がマジョリティだと思う。橋下知事「無痛文明の街」つくりを実践しようとすることに対して、僕たちはどんな強度のある言葉を持ち得るのか。

追記:確認しておきますと、今回廃棄の対象になっているのはプラザの図書・資料です。(スタッフから)
 社会運動資料センターの図書・資料はあくまで民間の財団法人である大阪社会運動協会の所有ですので、大阪府に決定権はありません。
 プラザの蔵書は図書25000冊、新聞・雑誌19000点で、プラザでふだん皆様の目に触れる開架コーナーにはプラザの図書5000冊に加えて社会運動資料センターの蔵書も5000冊配架しています。つまり、プラザと資料センターの資料は一体的に運用しているわけです。
続きは、http://shaunkyo.exblog.jp/8248878/

 追伸:【焚書】ふんしょとは、書物を焼き払う行為である! : 【本音トーク】 EVOLUTIONによると、「選挙公約でもあり何とか大阪府財政再建をやりたい。しかし大阪府労働組合は強固だ、そこで外郭団体、運営委託をしている施設を閉鎖する方針をだせば、大阪府労働組合も反対しないであろう。こんな戦略をたてたのではないかと考えます。」と書いていますが、僕の観測もそうですねぇ。もし、そうなら余計腹立たしい。成果を出した施設かどうかではなく、政治的な判断なんだと思う。経済的合理性での判断ならまだナットク出来る。

*1:廃止が決定したわけではなく、存続に向けて運動は続いています。