種村季之/「詐欺学」

ビンゲンのヒルデガルトの世界

ビンゲンのヒルデガルトの世界

ユリイカ1999年2月号 特集=終末論

ユリイカ1999年2月号 特集=終末論

詐欺師の楽園 (岩波現代文庫)

詐欺師の楽園 (岩波現代文庫)

備忘録・白洲次郎 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」で、処分する本のリストをアップしていたら、
ユリイカ 「特集終末論」』(1999年2月号)に収録されていた種村季弘×高山宏の対談「陽気な黙示録」を読んでいたら、処分するのが「ちょっと待て」となりました。
僕の好きな堀切直人が『「終末の精神史」のための著作案内』も書いている。今の時代の気分にぴったりの特集記事でした。改めて、僕は種村季弘だ好きなんだと再認識しました。
種村の『ビンゲンのヒルデガルトの世界』をせっかく、地元の図書館でリサイクルでもらったのに、病院の図書室に寄贈して、僕の所有になっていたのに、改めて貸出手続きをして借りました。
どうも、去年と今年と読書傾向が違ってきたみたい。というよりは、初心に戻ったと言うことかもしれない。

高山 さっきのマネーゲームの話じゃないですけれど、広い意味で世紀末的というか、最後の二十年と最初の二十年ぐらいの問題だと思うんです。でも、「詐欺学」という形できちんとやった人(笑)は他にいないし、特に肝心要の経済学なんかでは誰もいないでしょ。金融工学とか言って、みなただのコンピュータづけ。
種村 非常に残念ですね。あれをやらなきゃダメだ。今のマネーゲームとやらを真面目に真に受けているから火傷をするのであって、ゲームだと本当に思っていれば、いろんな戦略を組めるでしょう?その戦略をだれもやらなくて、引っかかったとかアメリカにやられたとかマネーの逆襲だとか、石原慎太郎なんか大真面目にあんなことを言って吼えているけど、要するに経済学は詐欺なんだ、と。信用があるから詐欺があり、詐欺があるから信用があるんであって。(p75)

この対談を読んで、経済学者小幡績に『詐欺学』の講座でも開設して欲しいと思いました。
だって、「資本主義はねずみ講」なんだもの。

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

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