渋谷から京都
- 作者: 磯田光一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/03
- メディア: 文庫
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参照:<ぼく>と「渋谷」 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
昨日、ユリイカの特集「終末論」の高山宏×種村季弘の対話を紹介したが、お二人はこのあたりの問題を論じている。
種村 […]日本は、ヨーロッパ的ないいものも持っている、つまり街の記憶もあるのに、このところ無理にアメリカ風に商品流通の速度で記憶を流通させているうちにバブルになってそれがはじけた。アメリカはもともと根本的に荒野のバラックだから、道の流通でやっていくほかはない。だから結局ワールドブルグもエラノス会議もアメリカには入っていかないんだよね。街の記憶はもう構造化されているもので、それがどうもアメリカには入っていかない。新しい国だから無理はないよね。
高山 街の記憶術ということなら、そもそもワシントンDCという街を作ったピエール・ランファン少佐は、ヨーロッパ伝統の記憶劇場を一国の首都にしようと試みたらしいです。札幌とか京都みたいに「○○上がる」「下がる」だけでどこでも行き着けるような、「アドレス」というデジタル概念にとてもこだわった街です。それはアメリカ人にとっては大変馴染みにくい図面だったらしい。ランファンはフランス系でブレーやルドゥーの系譜、フランス革命の時からそういう実験をやっていたところらしい。(p70)
磯田光一の『人工庭園の秩序』を持っていたのに、棚にない。書影もない。この本もいつの間にか処分していた。記憶を巡る磯田光一の都市論も面白いよね。
東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)
- 作者: 東浩紀,北田暁大
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/01/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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