図書館に本を寄贈する

群像 2009年 03月号 [雑誌]

群像 2009年 03月号 [雑誌]

僕のリサイクル本の提供は今月で一応、終わりになりますが、色々とお世話になりました。m(__)m
昨日の毎日新聞の報道によると、大阪府財政再建策で来年度中に廃止と府立中央図書館への移転方針が示された府立国際児童文学館に関し、児童文学者の鳥越信さんら約20万点の蔵書を寄贈した3人が25日、橋下徹知事に対して蔵書の返還を求める要望書を提出したと言う。
府からの移転通知は昨年末で一方的だったらしい。せめて、議論は尽くすべきだったでしょう。この国際児童文学館の蔵書に関しては何ヶ月も前から問題視されていて、僕のブログにも再三触れていたが、当然、鳥越さんたちが、蔵書の返還を求めることは予測できたことでしょう。「エル・ライブラリー」は労働の専門図書館として府の財政援助がなくとも存続したが、一般の図書館と専門図書館とは全く別のものだという認識がそもそもないのでしょう。国際児童文学館は専門研究員・司書のいる専門図書館なんです。図書館の機能は貸本屋ではなくて、レファレンスにあるということをもっと知ってもらいたいですよね。僕は部外者ですが、それでも、「図書館に本を寄贈する」という文章検索したら、本をゴミとして処分するのが偲びないので、寄贈したいと言う善意の方達が結構いらっしゃることがわかります。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200902250091.html
大阪府立児童文学館/移転なら資料返還を/寄贈の鳥越氏ら 知事に要望書
移転費用が五億八千万円もかかるんですか。僕もリサイクル本の整理で一番、頭が痛いのは送料ですね。縦横幅の合計80センチの容量で関西から関東で、1000円弱。梱包するのも面倒だし、手っ取り早く地元の図書館に持って行きたいのですが、一般の図書館はブックオフと同じように回転の良い新刊重視ですから、即、廃棄処分になる可能性が大。僕は通院している大学病院の図書室に患者、スタッフにあった本を図書館のリサイクル本も入れて寄贈しているが、今のところ大歓迎されています。
本を図書館に寄贈する事が多いのですが図書館のスタッフの方が「必ず図書... - Yahoo!知恵袋
今日の京子*Kyoko of Today: 矢祭町・新設図書館の本、寄贈でまかなおうとは!
家にいらない本があるので図書館に寄贈したいが - その他(生活・暮らし) 解決済み| 【OKWAVE】
財政難図書館、不要本に埋まる 寄贈募るが多くは廃棄 - 自動ニュース作成G
http://book.asahi.com/news/TKY200807120078.html
寄贈された本でもその図書館に適したものかどうか「選書」をしてカードを作成、フィルム装丁、などなど、ボランティアで作業を少しばかりやったことがありますが、手間暇とコストが結構かかります。
しかし、図書館で働いている人達もそんな知に対するリスペクトのなさに抗すべく強かに我慢強く運動を立ち上げていますね。情報化時代と言われつつ、レファレンスの大切さを理解できない人が多いのかもしれない。「Web3.0」の世界って、結局レファレンスを大切にすると言うことだと思う。それによって、膨大な情報量の中から最適な「コンテンツ」を掘り出す。
第3回ARGカフェ - ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ
◆画像の『群像2月号』を本屋で立ち読みしたが、保坂和志佐々木敦の対談が面白かった。小説と音楽について侃々諤々やるのですが、音楽業界、出版業界の大変なさ、それでもやりようによって希望がある。あらゆる問題につながる普遍性のある面白い対話でした。
対話中に再三取り上げられた高橋悠治の『きっかけの音楽』も読みたくなったので、図書館に寄ってリクエストしました。
きっかけの音楽

きっかけの音楽

あと、岡真理の『アラブ、祈りとしての文学』もリクエスト。
アラブ、祈りとしての文学

アラブ、祈りとしての文学

そこで、改めて気が付いたのですが、両書とも「みすず書房」ですね。やっぱ「みすず」と嬉しくなったから、カウンターのスタッフに「みすずの本は古書価値もあって劣化度が低い」、「長く読み継がれる本が多い」って言うことで一生懸命推奨しました。
◆本屋の店頭にこんな本がデンと平積みされていました。せっかくだから、知事はせめて、大阪府の公立図書館に寄贈すればいいのに。どうなんだろうか。なかなか少ない予算で購入できないからね。学校図書館も含めて寄贈すれば結構な部数になるでしょう。出版社も協力すると思うよ。でも、実際、図書館のスタッフが喜んで受け入れるかどうかは、わかりまへんデス。
橋下徹研究橋下「大阪改革」の正体