浜矩子の公開講座

グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)

グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書)

日時:8月2日(日)10:30〜12:00
場所:今出川キャンバス 同志社大学寒梅軒203
テーマ:「日本経済の次のシナリオ〜恐慌ドラマのセカンドステージを通貨と金融の視点から考える〜」
一度、生の浜さんの話を聴きたかったのですが、いいチャンスでした。
更新:今朝、同志社の浜矩子の公開講座はとても面白かったです。後日、又詳細なレポをアップするかもしれないが、ホットな内に書いてみます。
梗概というかオペラ仕立てに紹介すると、本論が4幕で、序幕と終幕があるのです。

序幕:『金融大暴走』
1幕:『金融大激震』
2幕:『生産大縮減』(生産大調整)
3幕:『雇用大受難』
4幕:通貨大波乱の幕
終幕:新たな夜明けか永遠の暗闇か
現在は2幕の後半で、3幕の『雇用大受難』にかかりつつある。という状況認識です。
キーワードは、ひとりはみなのため、みなはひとりのためです。
「自分さえよけれだ病」から「あなたさえよければ」へと脱却できなければ、「人」+「物」+「金」が内に向かって「愛国」という手かせ足枷にかかって、統制経済、財政大盤振る舞いとなり、元の黙阿弥、そして通貨大波乱で、永遠の暗闇。という自縄自縛の事態に陥るリスクが高くなるという懸念でしょう。目先の排除の論理は、結局自分の首をも切る事態を生ずる。『そして、誰もいなくなった』というアガサクリスティだったですか、そんな事件が起こる。イヤな予感を僕は感じましたよ。
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 2-Disc・スペシャル・エディション三銃士〈上〉 (岩波文庫)そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
もし、夜明けをたぐり寄せるとしたら、映画『パイレーツオブカビリアン』のジョニーデップ(と浜先生はおっしゃった)の海賊魂。『愛嬌と度胸』ですって、
質問タイムで男性の方が「あなたさえよければ」っていう演歌の心では、あまりにもロマンチック過ぎない?論理的に詰めて欲しいと、すごくマットウな疑問を投げかけました。
多分、そこに浜さんの悩みがある。論理的に詰めると「永遠の暗闇」にどうしても帰着する。だから、経済を越えた飛躍をしてみるわけで、デュマの『三銃士』の話もでましたね、三銃士と言えば、村上春樹の『1Q84』にも登場している。
近江商人の「三方よし」もCRSの原点で、自分だけよければ病からの解毒剤となる。ということで、「自分だけよければ病」が回避できなければ、行くところまで行って、「みんなで不幸の共有」をしなくてはならない覚悟をしなさいということでしょう。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090721-00000001-voice-pol
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090721-00000002-voice-pol
アトリーや、サッチャーにしたところで、やろうとした夢、目標が実際に実現するとまるで正反対なものになってしまったわけでしょう。そんな合成の誤謬が落とし穴としてある。オバマも「不本意男化」して、陥穽に落ちないように願うばかりです。
浜矩子(はまのりこ)語録 目次Ⅰ - key person