パブリックコメントをどんどん出しましょうよ

もうじき、新しい政権がスタートしますが、昨日、町内会でも今度の選挙の高い投票率が話題になりました。投票所の立ち会人をした会長が今までだったら列が途切れて一服出来たのに、そんなヒマがなかった。白バラからの各投票所のデータを見ても高いところで78%なんてありましたね。
みなさん、政治意識が高くなったんでしょうかね。良きことですね。
選挙の一票もさることながら、パブリックコメントについて知っていますか?
◆僕は去年、大阪府橋下知事宛に『大阪維新』プログラム案に対する「パブリックコメント」を投稿しました。(2008年6月20日 午前10時11分49秒)が、どの程度効果があったのか、追跡検証していませんでした。(http://d.hatena.ne.jp/kuriyamakouji/20080801/p1)
現在、エル・ライブラリーとなって大阪府からの補助金がカットされてもスタッフ一同、賛助会員(僕も行きがかりで会員になりましたw)からの支援により頑張っているわけですが、この図書館の存廃問題に関してはマスコミも好意的に取り上げてくれましたが、結局、府知事の断固たる決意を翻すことはできなかったわけです。
だから、せっかくのパブリックコメントも全くの影響を与えなかったのかと、単なる府民の声を聴いたとのアリバイ作りかなぁと疑心暗鬼になったところがあります。
二回目のパブリックコメントも投稿していますね。
がん対策推進計画案(パブコメ募集)もありました。
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◆ところで、『フリーターズフリー』の栗田隆子さんが、内閣府に対するパブリックコメントっていうものをはじめて書いたとのこと。せっかくなので栗田さんの了解を得てこちらでもお披露目してみます。
どの文書について書いたかといえば、「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について」(最終報告に向けた論点のとりまとめ)というもの。
2.ホームページからの入手が困難な方
 直接入手を希望される方:男女共同参画局にて窓口配布:(2)意見の提出方法及び提出先
 インターネット上の意見募集フォーム  男女共同参画局ホームページからアクセス可能
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kansieikyo/iken/boshu200909.html
栗田隆子さんのパブリックコメントのコピペしました。

<「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について」最終報告に向けた論点のとりまとめ>における6.生活困難の防止・生活困難者支援に関する課題と関連する施策(1)ア、およびイについてのパブリックコメント

ライフ・ワークバランスという文脈が基本的には「家族」「育児」という観点からしか考えていないところが最大の問題だと思います。というのもライフは英語では当然生活といのちの両方の意味がありますが、それは「単身者」でもあろうと、家族と生活していようと、当然生活といのちの両方を考える必要があるのです。
そうなりますと、時短という問題は、たとえば残業を減らすとか逆に残業に残業手当がつかない、というだけの話ではなくなります。いのちを軽んじる、過労死をするほどの仕事の仕方を失くし、かつ生活の保障を適宜行うという方向からライフワークバランスを考えないといけないのです。

さらには出産を「ライフイベント」と表現されていますが、「イベント」ということばは出産という出来事を「点」として表現されているように思います。つまり、出産をするということが個々の「女性」の履歴書に語られる出来事のように語られているところが最大の問題です。出産を女性だけの問題に切り詰めるところが、この言葉の指し示すことなのではないでしょうか。育児以前にまず「出産」は女性一人の問題ではないのです。ライフワークバランスとは、いのちを生み出す関係を問い直すものでも同時にあるはずなのです。それが二点目です。

出産・育児にまつわるところにおいても労働時間の問題が生じます。それは子どもを持つ女性は働く時間が少ないのが問題なのではない。現状では男性が働きすぎなのです。むしろ子どもを持つ女性並みにする必要があるのです。
ここでの「労働時間」というのは下記のような問題です。

つまり、子どものいる女性が働くには、働く間は保育所などに預けます。しかしその保育所等は主に女性が仕事をしている場であり、ケアワークの過剰労働かつ低賃金という問題があります。つまり女性が仕事をするためにさらに違う立場の女性が犠牲になるということが起きてしまっているのです。つまりライフワークバランスとは個人という枠でみるべき問題ではないということがここで明らかになります。
育児というものは8時間で切り上げられるものではない。その育児に関わる様々な人間の「いのち」を同時に考えることこそライフワークバランスの核です。つまりライフワークバランスとは、個人の「働く時間」と「育児の時間」のバランスをいかに取るべきかという問題ではなく、社会が子どもと「親」だけではない育児に関わる人間の健康をいかに保障するかという問題なのです。そのための財政対策を考える必要があります。
ライフワークバランスとは単なる子育てと仕事の両立などという狭い枠組みにしないこと、さらにホワイトカラーの核家族を焦点にあてた政策にだけはしないでいただきたいと切に希望します。

また性教育の適切さ、とさらりと書いてありましたがそれは「避妊」というだけの問題ではないとおもいます。むしろ出産にまつわる事柄に女性だけが関わっているのではない(男性がかかわっていること)ということを教育現場で強調する必要があるのではないでしょうか。「いのちのたいせつさ」などと教育で謳われていますが、父親がどこにいるか分からない状況でネットカフェで出産をする状況に女性が置かれるうる現状、過労死するほどの労働状況のなかで、自尊感情もいのちのたいせつさも若者が感じられるわけがないのです。ライフプランニング、と言う言葉も出てまいりましたが、そもそも「ライフ(=いのち)」を殺すような労働状況において、「ライフ」における自尊感情を高めるためには「キャリア教育」が必要などといわれても、若年層は(若年と呼ばれる時期が過ぎた人間であっても)困惑するばかりです。

あと定時制通信制の充実とありますが、これらの高校は現在、単位制高校に切り替わり、事実上従来の定時制通信制高校は崩壊の一途にあるということも付け加えておきます。これは働かなければ学校に通うことの出来ない若者達を事実上切り捨てている「現状」とつながっております。働いて生きる10代の「ライフワークバランス」ということも視野に入れていただきたい。学ぶことに喜びがあるならば、「働いている」ゆえにその喜びから人を排除する権利は誰にもないのです。

郵送(意見記入要領に記入の上、締切当日必着)
〒100−8914 東京都千代田区永田町1−6−1
内閣府男女共同参画局調査課  意見募集担当 宛