「蠅の王」には勝てないかぁ。

蝿の王 (集英社文庫)
唯一無二の革新的コスメティック イヴ・サンローラン (e-MOOK)
昨日、地元の図書館のリサイクル棚を覗いたらほかほかの新刊で珍しいシリーズがありました。寄贈された本ですが、資料保存としてはねられたものでしょうか、それともネットワークの中で複本になったから処分の対象になったのか、もらった本は帯もついて美本でピカピカでした。天に赤マジックの線が引かれているのは仕方がない。カード作成の跡がないので、除籍本ではないのです。
巻末に既刊本が掲載されているから、拝見すると53冊の発刊されている。『アジアの現代文芸シリーズ』で、「タイ」、「パキスタン」、「マレーシア」、「インドネシア」、「ミャンマー」、「インド」、「ラオス」、「ベトナム」、「フィリピン」、「カンボジア」、「バングラデシュ」で、第一回目の発刊が1986年3月27日でドゥアンチャイ(タイ)著『業の罠』(吉岡みね子訳)。もう20年以上に渡って発刊され続けているのですね。何か感動しましたよ。
さっそく頂戴して「パキスタン」篇の(8)巻『インティザール・フサイン短編集』(黒柳恒夫訳)の最初に収載されている「変身」を読んでみましたが、面白かったです。
王子が蠅になる物語ですが、でも、蠅が王子になった物語かもしれない。ウィリアム・ゴールディングの「蠅の王」も思い出すし、タイトルからしカフカ。そして、マルケスの手触りもある。何ともミックスブレンドの可笑しさなので楽しめました。
発行所を見ると「財団法人大同生命国際文化基金」になっている。成る程とナットクしました。
かようなインフラ支援がないと20年以上も続かないし、続いて欲しいですね。
贅沢と言えば贅沢かもしれない。でも文化って贅沢なものです。お金を喰うものです。「昭和の喜劇王・藤山寛美」ですよ。発行所の住所を見ると大阪西区で満更、藤山寛美と縁もなくはない。
エル・ライブラリー経由で知ったのですが、「大阪府立国際児童文学館廃止が決まりました」ねぇ。残念無念。世の中益々つまらなくなる。
新刊本屋の店頭に宝島社から発刊された「脅威の初版100万部!イヴ・サンローランのトートバッグが付録のムック本発売」が、平台、メンチン、レジ前のラックとか到るところに陳列されている。テレビのCMでもやってますねぇ。
桁違いの資金が投資されたと思うが、宝島社は好きな出版社だから、応援はしたいのですが、僕は勿論パスです。
まあ、ジジィは顧客の対象になっていないと思うから何の痛痒も感じないとは思うけれどねぇ。
何か本誌がカタログみたいで、年寄りに頼まれた雑誌を購入したついでにレジの子達にトートバックを1300円で買うのと同じやろう。本誌は会社説明書でしょうw。みんな笑っていましたよ。
エコポイントが1万円分図書カードで昨日送られたから、図書カードでトートバックを買ってもいいのですが、図書カードでは、やっぱ本を買いたいです。カタログも説明書もイヤ。
国際児童文学館ロゴマーク付きのトートバックが1300円で100万個も売れたら存続どころが、お釣りがくる。
エル・ライブラリーのロゴマーク入りのトートバックはどうだろうか、エルは「Labor(労働)だけではなく、友愛(LOVE)のLでもあるのです。多分w。

 発刊のことば
 (略)
私どもは財団創設以来、志を同じくする方々と手をたずさえて幅広く活動をしてまいりましたが、事業のひとつとして『アジアの現代文芸』をテーマに、この地域の国々の優れた作品をわが国に紹介することといたしました。
 小説、詩、評論、随筆などのさまざまなジャンルの作品を対象とし、これらを順次国別のシリーズとして上梓してまいります。
 文芸はそれを生んだ社会を映す確かな鏡であります。日を経て、国毎に多くの作品群をもつことができれば、それらはなによりも雄弁に、色彩豊かに、われわれが知らねばならない国々の今日の姿を描き出してくれるでありましょう。
 また、この地域の文芸作品は商業出版でとりあげる機会が少ないため、在野の研究者の努力が埋もれているという実情もあります。このプログラムが、これらの有為の方々に対する励みになることを期待しています。
 私ども財団のささやかな試みが、わが国もその一員であるアジア諸国への理解を深める上でいくばくかの意義を加えることができれば、これに勝る喜びはありません。
                             財団法人 大同生命国際文化基金 

イブサン・ローランのバックを持つのはオヤジにとって恥ずかしいが、エル・ライブラリーのロゴマークなら恥ずかしくない。勿論、国際児童文学館も…。
勿論、わが街の「蠅の王」は「ハチズム」のハチモトさん、愛も深く、憎しみも深い。『蠅の王』は無人島に漂流した子供たちのサバイバル物語ですが、子供達にも読んで欲しいですねぇ。