グッバイ石田徹也の世界/日航の行方

石田徹也遺作集
零戦の遺産―設計主務者が綴る名機の素顔 (光人社NF文庫)
昼間、掃除や料理をしながら、NHK教育テレビ新日曜美術館の思い出番組を見ていたら、
石田徹也の世界が紹介され、僕の視線が釘付けになった。
やりきれなさが逃げ場がなく追いかけてくる。この世界をおさらばしたいのに、来年も、再来年も追いかけてくるのでしょうか。
昨日観た映画『ディア・ドクター』は大上段に「愛」を語っているのではなく、思わず身体反応して、目の前の人を助け起こす。
そのことの気持ち良さを理屈抜きで感性として持つことでしか誰かさんと誰かさんはつながらないのでしょう。
もし、石田徹也の世界を溶解して、希望の回路を敷設するとしたら、そんな身体反応かもしれない。
映画では、クスリの営業マン香川照之に刑事が「愛ですか?」ってクサイ仮説をつぶやいたが、そこで香川は突如、卒倒(演技)する。
思わず刑事は香川を助け起こそうとする。香川は「刑事さん、これも愛ですか?」ってにやりと質問返しを行う。
あまりにもオール・オア・ナッシュングの「愛」、「LOVE」に収斂して問題解決を性急にしようとしていないだろうか。
二択ではないのです。もうじき、今年も終わりですね。この石田徹也の救いのない世界からおさらばする処方箋を、希望を、来年は見いだすことが出来るのであろうか?
しかし、全くの偶然ですが、地元の図書館のリサイクル棚でもらった堀越二郎の『零戦』を今読んでいます。書影は『零戦の遺産』ですが、堀越さんは初の国産旅客機「YS11」の設計に携わった人でしょう。「日航」はどうなるんでしょうか?