出版状況クロニクルから出版者ワークショップ

小田光雄出版状況クロニクル 21 (2009年12月26日〜2010年1月25日)を読む。

日本航空がついに会社更生法の申請に至った。グループ負債総額は2兆3221億円で、国内の倒産としては戦後4番目、金融機関を除く事業会社としては最大の倒産となった。
 1951年設立で、09年売上高は2兆円を割り、631億円の赤字となり、さらに今期の中間決算でも1312億円という巨額の赤字に陥っていた。そこに至る根幹の原因は87年の民営化にもかかわらず、改革されなかった政官業がもたれ合う責任者不在の構造だとされている。
 この日本航空の政官業のもたれ合う責任者不在の構造は、その始まりと売上高も含めて、出版業界の再販委託制の問題と相似していないだろうか。
 戦後の出版業界も1949年の日配解体後、新たな現在の取次がスタートし、56年に再販制が導入され、その時点から再販委託制という護送船団方式で営まれ、責任者不在のままであり続けてきた。
 しかし09年の出版物売上高はついに2兆円を割りこみ、日本航空とほぼ同じになった。2兆円を下回ると、出版業界全体が限界業界化するのではないかと繰り返し書いてきたが、それが今年は現実化していくであろう。ー続くhttp://www.ronso.co.jp/netcontents/chronicle/chronicle.htmlーより

ぶっちゃけ&爆弾発言連発!?「2010年代の出版を考える」トークイベントをレポート!も読むけれど、益々、出版流通に関してはクールダウンの状況が続いていますね。
でも、こんな前向きの記事がナンダロウアヤシゲさんによってアップされていました。一箱古本市といい、「出版者」ワークショップを始めます。 といい、業界と業界以外の人たちをコラボしたリアル場における運動の仕掛けがささやかな希望の一灯になるんだと思う。
様々な運動の拡がりとなって出版流通業界にも刺激を与えて欲しい。