本歩vol.1

刑務所図書館―受刑者の更生と社会復帰のために
取次の大阪屋が発行するPR誌「本歩」を貰ったら、「本歩読者大賞・発表号」と銘打って、本エッセイを掲載している。大賞を貰った人の一文が面白かった。
筆者の父親はヤクザで拘置所を出たり入ったりしているが、差し入れ出来るものは、現金、衣類、そして本の三点セット。マネー、着るものならわかる。なんで「本だ!」と小学生だった筆者は衝撃を受ける。
母親に頼まれて当時小学生だった彼は父親のもとに本の差し入れを役を担う。
父親がリクエストするのは、三島由紀夫安部公房、内田百ケン、チャールズ・ブロコウスキー、中島らもカート・ヴォネガットなど。凄いラインナップ。
高校三年の時、父親がなくなる。父親の遺したほぼ千冊以上の蔵書を彼は大学生活の四年間でほぼすべて読み切る。そして今年、四月社会人となる。職業は何と書店員です。天職なのかw。
今日の毎日新聞のメディア欄で『「電子書籍元年」出版界に危機感 「紙の本」はなくなるのか』と言う記事がアップされていたが、「キンドル」も「ipad」もケイタイもPCも差し入れできないから、少なくとも差し入れに関しては「紙の本」は安泰でしょう。塀の中で『出版文化』は守られているのか。
地元の図書館で「刑務所図書館」という新刊がありました。