この草むらに卵を隠す

へのへのもへじ派(id:heba)さんから下記のようなトラバを頂戴いたしました。「この草むらに卵を隠す」は、僕のブログ、ミクシィプロフィール画像に、榎本香菜子の「最後の個体」をアップしたことがありましたが、その「一枚の絵」を思い出しました。
もう一度、ここにあげてみます。
退院したら、「かなしみは喉で感じる」一行紹介を書き換える予定だったとありますが、『蜘蛛女のキス』は一度しか観ていないので、そのシーンがまるっきり記憶にありません。再見したいと思います。

「血止め式」のプロフィール欄にある一行紹介は現在「この草むらに卵を隠す」になっておりますが、妹はこれを数ヶ月ごとに書き換えることにしていたそうで、癌が治って退院したら次に書き換える一行紹介を「かなしみは喉で感じる」にしたいと入院中に話していたものでした。これは『蜘蛛女のキス』の主人公として登場する同性愛者モリーナが刑務所で同室になった政治思想家ヴァレンティンに向けて何気なく吐露するセリフですが、モリーナにとっては一種絶望的なヴァレンティンへの愛の告白でもありました。妹が死の一日二日前にこの『蜘蛛女のキス』を思い出していたことは明らかなだけに、kuriyamakoujiさんが引いてくださっている過去の「記憶」コメントの数々が身内の者には確かに妹の肌身のそれのように感じられるしだいです。妹が最後に選んだその一行紹介を、代わりに私がこの日記ブログで使うことにして先ほど書き換えました。kuriyamakoujiさんのご好意によるわざわざの古い記事起こし、大変痛み入ります。有難うございました。
http://d.hatena.ne.jp/heba/20100512/1273685491

こちらこそ、僕の「記憶」が新鮮に蘇った気分でありがたいです。
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追記:きなさんによると、「この草むらに卵を隠す」は西條八十の「石卵」からだと言うことです。
「いよいよ この卵を置きざりにして 空へ飛ぶわたしの姿を見ろ
 星の光が冴え 野菊が匂ふころ 鵠は飛ぶぞ 流行歌ながれる巷(まち)のうへを」