がん難民を作らない!

毎日新聞8月23日の記事「未承認薬の保険適用を」より

−−このセンターがグランドデザイン策定を担っていくということでしょうか。
 ◆ 一つの例として、国内での薬の承認が海外より遅いドラッグ・ラグを解消したら薬剤費がどのくらいかかるかという数字を出しました。国内で延べ42種類の未承認薬、適用外薬を保険で使えるようにした場合、4万6000〜12万人のがん患者が新しい薬を使える可能性があり、薬剤費は最大1840億円で医療費の0・5%くらいだった。そんなに増えないという根拠を初めて出しました。
 −−この42種類は全部保険適用すべきだという考えですか。
 ◆ そうです。(保険適用しても)「医療費亡国論」なんていう話にはなりません。
 −−承認薬でも、高い薬が増えています。手術も他の抗がん剤も効かなくなった進行がんにしか使えず、死亡する間際まで高額医療費に悩む患者もいます。
 ◆ そういう話はあるが、我々は治療が科学的に適切かを検証するための相談窓口を作り、抗がん剤の使い方等に関するアドバイスをしている。また、そういう患者さんは緩和医療の適切な実施で改善するかもしれない。痛みや不快な症状が取れれば元気がでる。元気が出ると免疫力があがるから、がんそのものの治療になる。


がん対策基本法についてはこのブログでも再三言及しているが、個人情報のからみもあるのか、患者自身「がん登録」に関して積極的ではない印象があります。
僕は行政、病院などにも「がん登録」について問い合わせもしたけれど、確かにかような背景があると思いましたよ。

今までのがん登録は医師や厚生労働省のため、統計を取るための登録。新しいがん登録は、患者さんの治療内容をがん拠点病院に持ってきてもらい、標準医療がされているか評価する。登録した本人の治療の質向上に直接結びつけば、みんな登録しますよ。

新しく就任した国立がん研究センター理事長・嘉山孝正さんは公募で選ばれたんですねぇ。頑張って欲しい。