絲山秋子を又、読む。

お詫び:同じ記事が重複しているのに、消えない。iPhoneに慣れていないなぁ~ゴメンなさい!

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

病院文庫にあった絲山秋子の「海の仙人」を読む。
前回と違って長編小説ですが、久し振りに過剰に感情移入してしまった。「沖で待つ」もそうだが、福田和也が解説で言う。

孤独とも関わることだけど、絲山氏の作品では、性がきわめて慎重に、注意深く扱われている。
二十世紀は、文学をはじめとする表現の世界に性的な要素が大胆に導入された時代であった。性的な関係だけが、人間の絆だとするような風潮もあり、現在の日本の小説も、その潮流から抜け出ていない。
けれども、絲山氏は、性的なものを、関係の基盤に置くというような安易な了解を拒絶して、むしろ性を介在させない男女の関係を描いてきた。

まあ、僕のホルモン療法は普遍性に関しては疑念があるけれど、
絲山氏は普遍性のある小説空間に福田和也が言っているもので果敢に切り込んでいることは間違いない。