帯津良一「医者と病院は使いよう」

医者と病院は使いよう

医者と病院は使いよう

ちょっと視点を変えると見えなかった風景が見える。
ホメオパシー帯津良一、潜在ガンの近藤誠、免疫療法の安保徹達はそこに文明批評的医療行為にならざるを得ないものを抱え込んでいる。
本書もそんなシリアスな記述が多い。帯津先生は余程のことがないかぎり、マスクも手洗いもしないとのこと。そんな先生だから、採血の正常値に関しても懐疑的です。僕はメタボ患者としても登録され、循環器科で外来診療を受けて血圧を下げる薬、コレステロールを下げる薬を処方してもらっているのですが、帯津先生に言わせると、コレストロールの正常値は十年前までは250だったのに現在は230になっている。そこに経済的なからくりもあるんじゃあないかと勘ぐるわけです。定期検診に反対の近藤さんもそんな視点を発信し続けていますねぇ。僕の場合は230越えで異常値とカウントされ薬を処方されているわけです。

私はいまの正常値より少し上ぐらいがちょうどいと思っています。いまでは260ぐらいで高脂血症薬を出す内科医が増えています。でも、高脂血症薬の副作用のリスクを考えたら260ぐらいで服用すべきかどうか、疑問に感じます。
また、がんを扱っている人間からいうと、コレステロールは免疫細胞の細胞の中に入っているので、がんになるとコレステロール値は下がってくるんです。三ケタあった人はだいたい二ケタに落ちます。だから、コレステロールがどんどん下がるのも良くありません。がんになりやすい体質の人などは、むしろコレステロールを高値で維持した方がいいのです。(p74) 

お腹の出っ張りがガンを抑えている状況も想定されるわけだ。